「どうやら、俺の強さをまだ理解していないようだな。偶然か何かでナタール連邦をぶっ潰したとでも思っているのか?」
俺は玉座から立ち上がる。
そして、軽く闘気と魔力を開放した。
謁見の間は一瞬にして、張り詰めた空気に包まれる。
「ヒィッ!?」
女性使者は情けない声を上げて腰を抜かした。
いや、それだけではない。
彼女の股間から、液体が染み出している。
失禁したのだ。
「ふん。情けない女だな」
俺はそう言って、闘気と魔力をしまう。
謁見の間の空気が弛緩した。
使者は、ヘナヘナと脱力して床に倒れ込む。
「同盟は拒否する。だが、属国という形なら検討してやらんでもない」
「……は、はい?」
「お前たちは、俺たちの属国として面倒を見てやるよ。俺の気が変わらない内はな」
俺はそう言って笑う。
女性使者はポカンとした顔で、俺を見上げていた。
「では、そういうことだ。さっさと帰ってバリオス王に伝えるといい」
「か、畏まりました……」
使者は逃げるように謁見の間から立ち去る。
これで、バリオス王がどう出るか。
まあ、十中八九拒否してくるだろうな。
「さてと……。再び戦争の準備だ。全軍指揮官のレスティ、近衛騎士団団長のロゼリアあたりに出撃の準備をさせるとしよう」
これでまた、『紅血の水晶石』が完成に近づく。
いや、そろそろ十分な量が溜まる頃合いかもしれない。
俺は期待を膨らませつつ、玉座に腰掛けたのだった。
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