「『殺さないでくれ』だって? まだそんな生意気な口調を使う余裕があるじゃないか」
「ち、ちがっ……! アタイはそんなつもりじゃ――」
「ほら、空の旅行を楽しんでこい」
俺はそう言って、シャオの頭部を思い切り空へ放り投げた。
「ちょっ……! あ……あ……!! ぎゃあああぁあぁぁあぁあ!!!!」
凄まじい速度で飛んでいくシャオの頭部。
俺の生命維持魔法は発動したままだし、頭部だけになったとはいえ彼女はBランク冒険者だ。
これぐらいで死ぬことはない。
もっとも、そのまま地面に落下すれば衝撃で死ぬだろうが。
「――【エアークッション】」
というわけで、俺はその頭部を風魔法で受け止めてやる。
懐かしいな。
かつて、俺に生意気な口を聞いてきた村娘ミルカもこうして調教してやったんだ。
そんなミルカも、今や俺の子を生むまでになった。
シャオも、ちゃんと更生するようであれば俺の子を生む栄誉を与えてやらんでもない。
俺はそんなことを考えつつ、無事に地上へと戻ってきたシャオの頭部へと声をかけた。
「気分はどうだ? 空を飛んだ感想は?」
「ぜひゅっ……はぁ……はぁ……」
「俺を無視するとはいい度胸だ。死にたいらしい」
「ま、待ってくれ!! いや、待ってください!!!」
シャオは慌てふためきながら懇願する。
……ふむ、なかなか悪くない反応だな……。
一度だけの空の旅で、ちゃんと口調が直っているようだ。
俺は満足げに微笑みながら、質問を続けた。
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