「――だそうだが? 何か言いたいことはあるか? レスティ」
ここまで言われて、本人に聞かないわけにはいかない。
俺はレスティに問いかける。
「人族どもめ……好き勝手言いやがって……!」
レスティが心底忌々しげに呟く。
「……レスティ、口の利き方に気をつけろ」
せっかく”パーティの仲間”として紹介してやったのに……。
これでは、隷属の首輪の効力を強めて”パーティの家畜”として扱わねばならなくなる。
俺としては、別にそれでもいい。
だが、意思を強く拘束しすぎると、戦闘能力も低下してしまう。
可能であればそれは避けたい。
「ほら! やっぱり獣人は危険です!」
「す、少し怖いですね……。まだ小さいサティに危害を加えられたりしたら……」
スピカとサテラがそんなことを言う。
レスティが迂闊な態度を取るから、皆に恐怖が伝播しているではないか。
「よせと言っているだろうが。レスティは従順だ。反抗したりなどしない」
俺はため息交じりにそう言った。
だが、皆の不安は拭えていない。
「仕方ない。こういうこともあろうかと、前もって準備しておいて良かった。――ほらレスティ、腹を出してみろ」
「腹だって? アタシの腹に何を――はうっ!?」
変化はすぐに訪れた。
彼女の内臓に仕込んだもの――それは、俺の魔力に反応して即座に効果を発揮するように細工をした魔導具だ。
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