「ふぅ……疲れたな」
「お疲れ様だ、ライル様。あたい、ライル様のかっこいい姿を見れて幸せだぜ」
「はは……。そうか?」
「うん! あたいは、ライル様のお嫁さんになれて本当に幸せだよ」
「俺もルーシーの夫になれて良かったよ」
ライルとルーシーは見つめ合う。
そんな2人を見て、配下の者たちも拍手を送った。
「ふふ……幸せそうですね」
「ああ、次はアタシも……」
2人の様子を、サテラとミルカは微笑ましそうに眺めている。
そして、スピカとアイシャも……。
「本当に素晴らしい結婚式でした」
「お二方ともにお幸せに……。心よりお祝い申し上げます」
「ありがとうございます。スピカさん、アイシャさん。それにみなさんも」
ルーシーが頭を下げる。
彼女は理解していた。
ライルの幼馴染として、かつて惨殺された悲劇のヒロインとして、自分は彼女たちに配慮されていることを。
ライルが第二夫人や愛妾を持つかどうかは不透明だが、その可能性だってあるはずだ。
聖竜帝国の皇帝としては、確実に世継ぎが必要なのだから。
しかし……それでも今は、ルーシーはライルを独占できて幸せだった。
「ライル様! あたい、お腹が減ってきたぜ!」
「そうだな……。じゃあ、そろそろ披露宴会場に行こうか」
「うん! あたい、頑張るぜ!!」
ライルとルーシーは手をつなぐ。
2人は新たな一歩を踏み出した。
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