『へへっ。みんな、ライル様に感謝しているぜ。以前の恩もあるし、このリトルボアの肉もおいしいしな』
『そう言ってくれると俺も嬉しい。治療して匿ってくれた恩を、少しでも返せたのなら満足だ』
『ああ。ずっとこの村に居てくれてもいいんだぜ? ライル様』
この頃には、ライルはすっかり村の一員となっていた。
だが、そんな日々も長くは続かなかった。
ライルの弟ガルドによって村人は惨殺され、ルーシーは強姦の末に殺害されたのだ。
「あの人はとんでもない悪人だ。でもよ……ライル様まで悪に堕ちちまったら、あたいは……」
ルーシーの目から涙がこぼれる。
ライルはエリクサーを完成させるため、数多の人々の命を奪った。
その魂を凝縮させ、ルーシーを生き返らせたのだ。
彼女の脳内には、今も人々の嘆きの声が響いている。
読み終わったら、ポイントを付けましょう!