「ちっ……! 硬ぇな!!」
「あ、危ない!」
「へ? ――うおおおぉっ!?」
ガルドが舌打ちをした瞬間、彼がいた場所に向かってライルが爪を振り下ろした。
アイシャの声により、ガルドは何とか回避行動を取る。
「ライル様を無力化するしかない! そうすれば、きっと元通りになってくれるはずだ!!」
「でも、どうやって!? 私たちじゃ……」
ミルカの言葉に、サテラが反論する。
竜の加護で強化された彼女たちは強い。
だが、それはあくまでも一般兵や冒険者に比べての話である。
加護を与えた張本人――ライルを倒すとなると、心許ない戦力だ。
「任せてください! こんなこともあろうかと! 商会の力を利用して、切り札を用意していました!!」
商会長の娘スピカが叫ぶ。
彼女の言葉に、ミルカたちは期待のこもった視線をスピカに向けた。
「スピカさん、切り札とは一体……?」
サテラが尋ねる。
そんな彼女たちの背後から、大きな壺を持った一般兵たちが現れた。
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