S級スキル【竜化】持ちの俺、トカゲと間違われて実家を追放されるが、覚醒し竜王に見初められる。今さら戻れと言われてももう遅い。お前たちは、俺たちの属国として面倒を見てやるよ

猪木洋平@【コミカライズ連載中】
猪木洋平@【コミカライズ連載中】

94話 何でもいたします!

公開日時: 2022年9月21日(水) 18:52
文字数:1,074

 俺は商会の頭取と今後の段取りを打ち合わせていった。


「よし。こんなものか。よろしく頼むぞ」


「はい。ライル様のお力になれること、こちらとしても大変嬉しく思っております」


 頭取が頭を下げる。

 基本的には、俺ばかりに理がある話だ。

 シルバータイガーの討伐経験のある”シャオ・ブランシェ”とかいう冒険者を紹介してもらう。

 その上、その他の細々とした準備もしてくれるらしいからな。

 ただし、その見返りとして”白銀の大牙”以外の素材はこの商会に優先的に卸すことになる。


「うむ。何かあればすぐに連絡してくれ。では、そろそろ――」


「ちょ、ちょっとお待ちくださいませっ!」


「ん? 何だ? スピカ」


 頭取の娘、スピカが慌てながら割って入ってきた。

 そう言えば、彼女はずっと放置してしまっていたな。

 別に彼女の能力が不足しているというわけではないのだが、頭取が目の前にある以上、彼女と打ち合わせる意義は薄いのだ。


「あ、あの、その……」


「どうした? スピカ」


「わ、私にもできることがあれば、何でもいたします! 言って下さい!!」


 ほう。

 なんでもか。

 それならば、けつあな確定……と言いたいところだが。


「できること?」


「はい! 私、頑張りますから!!」


 スピカが真剣な眼差しを向けてくる。

 父親である頭取も、無言のまま俺を見つめていた。


「……わかった。なら、頼もうか。スピカにしかできないことだ」


「はい!! 私にお任せください!!」


「それにあたり、頭取は席を外してもらえるか? 隅に控えているメイドたちもだ」


「はぁ。それは構いませんが……。いったい、私の娘に何をさせるおつもりで?」


 頭取がほんの少しの警戒心をにじませる。


「なに、そう身構えるほどのことでもない。だが、機密性の高い事項というだけだ。お前の娘に害を与えることはないと誓おう」


「……わかりました。皆、下がれ。隣の部屋で待機していろ」


「「かしこまりました」」


 頭取たちが退室する。

 これで邪魔が入ることはないだろう。

 スピカが緊張気味に身体を固めていた。


「そう身構えるな。なにも、痛めつけようというわけではない。むしろ逆さ」


「逆、ですか?」


「ああ。スピカには天にも昇る心地を味わってもらうことになる。まずは――」


「んむっ!?」


 俺は彼女の唇を奪う。

 そしてそのまま舌を入れ込み、深い口づけを交わす。


「ん、ん、んんっ!」


 彼女は若干の抵抗を見せるが、俺の腕力に敵うはずもない。

 俺は彼女の口内を蹂躙する。

 そして、しばらくして――


「はふぅ……」


 スピカは目をハートマークにして、だらしない表情を浮かべていた。

 完全に心ここにあらずといった様子で、呆然と虚空を眺めているのだった。

読み終わったら、ポイントを付けましょう!

ツイート