「【氷竜の息吹(チルブレス)】!!」
「ぬわぁああっ!?」
リリアが咆哮すると、その口から極低温のブレスが放たれた。
そこらの魔物や一般民衆が受ければ、即死は確実だろう。
ライルにより竜の加護を受けているルーシーやロゼリアたちでも、大ダメージは必至だ。
「お、おい! よせっ!!」
そんな叫びを無視し、リリアはブレスを吐き続ける。
「クソがっ! 【火竜の息吹(ボロブレス)】!!」
「ふん……」
ライルが火属性のブレスによって対抗する。
だが、その攻撃にリリアの氷ブレスほどの出力はない。
リリアのブレスは、ライルのそれを押し返していた。
「くっ……!!」
「ほれほれ! もっと頑張らないと、お前さんの大切な者どもが氷像になってしまうぞ?」
「このっ! クソがっ!!」
ライルは必死にブレスを吐き続ける。
だが、リリアのブレスが勝っていた。
「ち、ちくしょう……!!」
ライルは竜化した状態のまま、膝をつく。
そんな彼を見て、リリアは笑った。
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