「俺が考えた国名は――」
「はいはいっ! 私は『超常ドラゴン大国』が良いと思いまーす!!」
俺が言おうとしたところで、サテラが手を挙げて言った。
……うん。
ダサいな……。
「私は『ライルとミルカの愉快な王国』がいいと思う!」
「ここは『赤竜連邦』がいいでしょう」
「『最強冒険者ライルの伝説帝国』で……」
「えっと……。『覇竜帝国』は……」
「アタイは『レッドドラゴン聖国』がいいと思うぜ!」
ミルカ、スピカ、アイシャ、キーネ、シャオが続けて言う。
案を出してくれるのはいいが、どれもネーミングセンスが壊滅的だ。
仕方ない。
「沈まれ。国名はもう決めてある。『聖竜帝国(ホーリードラゴン・エンパイア)』だ」
俺はそう告げる。
我ながら、完璧なネーミングだ。
それを聞いた仲間たちは、納得がいったように頷いていた。
「なるほど。そういや、パーティ名も『聖竜の勇者たち(ホーリードラゴン・ブレイブズ)』だったな」
「若様が治めるに相応しい名前でしょう。感服しました」
「ま、ライルが決めたのならそれで良いのではないか?」
レスティ、ロゼリア、リリアが頷く。
他の面々も、概ね異論はないようだ。
中には少しだけ微妙な顔をしている者もいるが……。
細かいことはいいだろう。
こうして、ナタール連邦改め『聖竜帝国(ホーリードラゴン・エンパイア)』が誕生したのだった。
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