「ライルはどこに行ったのやら……。まぁ良い。ここで待とうではないか」
リリアは玉座に腰かける。
そのときだった。
「――【火竜の息吹(ボロブレス)】!!!」
「なにっ!?」
突如、火球が飛んできてリリアに命中する。
それはかなりの威力だったようで、彼女の衣服が燃えてしまった。
「むぅ……! 余の服を燃やすなど……万死に値する! じゃが、これほどの火球……いったい誰が……」
リリアは周囲を見渡す。
すると、一人の雄竜が立っていることに気がついた。
「ちっ……! さすがは竜王リリアだ。俺の攻撃を受けて、火傷一つ負わねぇとはな……!!」
「お、お前さんは……」
「ライルだよ。さっきはよくもやってくれたな」
リリアの前に現れたのは、赤黒い鱗の竜だ。
その佇まいは、竜王リリアをして認めるほどの迫力があった。
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