「す、すげぇ……」
「まさかライルさまが王族の方でしたとは……」
「ひゅーっ! 王子様の奴隷とくれば、下手すりゃそこらの平民よりも偉い! 何だか出世した気分だぜ!!」
ミルカ、アイシャ、それにキーネの元仲間の男が口々に言う。
「おいおい、俺の正体が王子だとはまだ確定していないだろ」
「いえ、実は薄々感じていたんです。もしかすると、貴族以上の身分がある方ではないかって……」
「人族のおうじってのはよく知らねぇけどよ、族長みたいなもんだろ? アタシはご主人に付いていくことにしている! どんどん他の部族をぶっ殺していこうぜ!!」
スピカとレスティがそう言う。
やけに飲み込みが早いな。
俺の王族オーラは隠しきれていなかったようだ。
「――まぁいい。ギルマス、その俺の王族疑惑の何が問題なんだ?」
「数日後に使者がストレアに来ることになってしまったのだ! その時にライル君が不在であった場合、ブリケード王国への宣戦布告とみなされると……!!」
「ふん、なるほど。面白い話じゃないか」
俺はギルマスの言葉を聞き、ニヤリと笑う。
さすがに予想外ではあったが、同時にとてもワクワクさせられた。
はてさて、使者として来るのはいったい誰だろうか?
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