みんなでシルバータイガーを囲み、タコ殴りにする。
牙を傷つけないという条件があるため、チマチマとしか攻撃できないのがネックだ。
シルバータイガーは必死に抵抗するものの、俺たちを押しのける力はない。
「グオオオオォォッ!!」
「くっ! しまった!」
「マズイぞ! 包囲を抜けられた!!」
キーネとその仲間が叫ぶ。
チマチマとした攻撃を受け、いつまでもされるがままになっているシルバータイガーではない。
なりふり構わず暴れ始め、包囲網を破ってしまう。
「落ち着け。想定内だ」
俺は後方で待機していたリリアに視線を向ける。
彼女の力は、俺以上に強大だ。
シルバータイガーに直接手を出す役割を彼女には任せていない。
彼女の役割は――
「任せるが良い」
リリアは詠唱を始めた。
そして――
「【アイス・プリズン】」
「グルオ!?」
突如として出現した氷の檻。
本来、このように開けた草原では四方八方へ逃げ放題だ。
しかし、今は違う。
リリアの氷魔法により、シルバータイガーの逃げ道はなくなった。
「そろそろ仕上げだ! 牙を傷つけないように気をつけつつ、慎重にトドメを刺せ!!」
「「「了解っ!」」」
俺の指示に従い、仲間たちがそれぞれ動き出す。
ほどなくして、シルバータイガーは絶命し、その場に倒れたのであった。
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