S級スキル【竜化】持ちの俺、トカゲと間違われて実家を追放されるが、覚醒し竜王に見初められる。今さら戻れと言われてももう遅い。お前たちは、俺たちの属国として面倒を見てやるよ

猪木洋平@【コミカライズ連載中】
猪木洋平@【コミカライズ連載中】

192話 vsシルバータイガー -4

公開日時: 2023年7月8日(土) 10:30
文字数:522

 みんなでシルバータイガーを囲み、タコ殴りにする。

 牙を傷つけないという条件があるため、チマチマとしか攻撃できないのがネックだ。

 シルバータイガーは必死に抵抗するものの、俺たちを押しのける力はない。


「グオオオオォォッ!!」


「くっ! しまった!」


「マズイぞ! 包囲を抜けられた!!」


 キーネとその仲間が叫ぶ。

 チマチマとした攻撃を受け、いつまでもされるがままになっているシルバータイガーではない。

 なりふり構わず暴れ始め、包囲網を破ってしまう。


「落ち着け。想定内だ」


 俺は後方で待機していたリリアに視線を向ける。

 彼女の力は、俺以上に強大だ。

 シルバータイガーに直接手を出す役割を彼女には任せていない。

 彼女の役割は――


「任せるが良い」


 リリアは詠唱を始めた。

 そして――


「【アイス・プリズン】」


「グルオ!?」


 突如として出現した氷の檻。

 本来、このように開けた草原では四方八方へ逃げ放題だ。

 しかし、今は違う。

 リリアの氷魔法により、シルバータイガーの逃げ道はなくなった。


「そろそろ仕上げだ! 牙を傷つけないように気をつけつつ、慎重にトドメを刺せ!!」


「「「了解っ!」」」


 俺の指示に従い、仲間たちがそれぞれ動き出す。

 ほどなくして、シルバータイガーは絶命し、その場に倒れたのであった。

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