「見ろ、この見事な結晶を……。『紅血の水晶石』になるまで、もう一歩だぞ」
俺は、手の中にあるクリスタル状の物体を掲げて見せた。
その見た目は、まさしく本物の宝石のようだ。
「ふむ。今回の戦争で殺した程度の人数では、まだまだ不足しているはずじゃったが……」
「確かに、思わぬ収穫となった。いいところに獲物が集まってくれたよ」
リリアの言葉を受け、俺は笑みを浮かべる。
ブリケード王国とナタール連邦の連合軍に勝利した俺たちは、ストレアにて戦後会議をしていた。
「アタシも満足したぜ! 人族をたくさんぶっ殺した!!」
「ここまで来たら、もう引き返せませんね……。冒険者ギルドに退職届を……。いえ、いっそ支部ごとライル様に付きましょうか……」
「元より私は、ライル様と命運を共にする所存です。商会長の父も説得済みですから」
「私も似たようなものですね。私の忠誠は、ブリケード王国ではなく若様に向いていました」
レスティ、アイシャ、スピカ、ロゼリアがそう言う。
彼女たちは今回の戦争で見事な活躍を見せた。
特にロゼリアは、人質から解放した後にこちらへ寝返り、多数の敵兵を葬ってくれた。
その他、ミルカ、キーネ、サテラ、シャオなどもしっかりとした働きを見せていた。
「全てが順調だ。特に大きいのは……」
「そこのA級スキル持ちのメスガキのおかげじゃの?」
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