村の少女ミルカに強制バンジージャンプを体験させてやった。
「よし。これぐらいにしておいてやるか」
「はあっ、はあっ……。た、助かったのか?」
少女が荒い呼吸を繰り返す。
「ああ。だが、勝負はお前の負けだ」
「ふ、ふざけんな! なんで、アタシがあんな目に遭わされなきゃならねぇんだ!」
「俺に舐めた口を聞くからだ。その様子だと、まだわかっていないようだな」
俺は彼女に近づいていく。
「ひいっ!? ま、待て!! あれはもう……」
「待てだと?」
「い、いや! 待ってください! お願いします! あなた様に逆らうつもりはありません!!」
「ほう。それでは素直に協力してくれるのだな?」
「はい! 何でも協力させていただきます!」
ミルカがそう言う。
ずいぶんと殊勝な態度になったものだな。
「じゃあ、とりあえず脱げ」
「……は? 今なんて……」
「聞こえなかったのか? 服を脱いで裸になれと言ったんだ」
「は、はあああっっっっっっっ!!!!?」
ミルカの顔が真っ赤に染まる。
「何を驚いている。負けたら全裸になるのは常識だろうが」
「ふ、ふざけるな! どこの常識だよ! 誰がそんなことするか!!」
「ほう。いい度胸だな。これは少し教育が必要かな」
「ひいっ! い、いえ! 逆らうつもりはありません!!」
彼女が怯えた表情でそう言う。
情緒が不安定だな。
他人事ながら、心配である。
「ラ、ライル殿……。ミルカがご無礼を働きまして申し訳ありませぬ。しかし、所詮は小娘の戯言。どうかお慈悲を!」
村長がそう頭を下げてくる。
「ふん。お前の孫娘のしつけがなっていないからこうなるのだ。俺に口出しするな」
「し、しかし……」
村長がなおも食い下がる。
孫娘に手を出されようとしているのを黙って見ているわけもないか。
「お前も俺に逆らうのか? 別に、盗賊団の前にこの村を潰してやってもいいんだ」
「なっ!? この村は小さいですが、それでも50人以上はいますぞ」
「それがどうした? こっちは、そもそも数十人の盗賊団を相手にしようとしているんだぞ。女子供を含めた50人程度の素人など、相手にもならん」
S級スキル竜化を持つ俺の相手ではないのだ。
と、俺と村長がそんなやり取りをしているとき……。
「ミルカちゃんをイジメている奴っていうのはお前か!?」
「余所者がふざけやがって! 冒険者だか何だか知らねえが、調子に乗るんじゃないぜ!!」
村の男たちが集まってきた。
全部で10人くらいか。
「待て! お前たち! この方はCランク冒険者だぞ!」
「それが何だってんだ!」
「この村で好き勝手はさせねえ!」
やれやれ。
事情も知らないくせに、横槍を入れてくるとはな。
まずはこいつらを蹴散らすことにしよう。
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