S級スキル【竜化】持ちの俺、トカゲと間違われて実家を追放されるが、覚醒し竜王に見初められる。今さら戻れと言われてももう遅い。お前たちは、俺たちの属国として面倒を見てやるよ

猪木洋平@【コミカライズ連載中】
猪木洋平@【コミカライズ連載中】

272話 ライルとの思い出 ロゼリア

公開日時: 2024年4月13日(土) 02:08
文字数:510

「やはり若様は若様ですね……。暴走してもなお、これほどの人望があるのですから」


 ロゼリアが満足気に微笑む。

 実際には恨みなどの感情を持っている者もいるのだが、ライルと古い付き合いである彼女は盲目気味だ。

 そんな彼女の脳裏にも、ライルとの思い出がよぎっている。


『ロゼリア』

『はっ! いかがしましたか? 若様』

『――俺を舐めているのか?』

『え? ――ひ、ひぃっ!!??』

『俺がブリケード王国に戻る? あり得ない。冗談も大概にしろ』


 ――ロゼリアが王から受けた命令は、ブリケード王国へライルを連れ戻すことだ。

 だが、彼はその命令を蹴ったのだった。

 しかも、圧倒的な殺意のこもった目でロゼリアを睨む。

 あの時の恐怖は、今思い出しても鳥肌が立つようだ。


「私は確信しています。若様こそ、世界を統べるに相応しいお方だと! あのリリアとかいう女の好きにはさせません!!」


 ロゼリアは剣をライルの体に突き刺した。

 シャオもそれに続くように、剣を振るう。


「グルオオォッ!!」


「ぐっ……! まだこんな力が残っているのか……!?」


「まずいな……! もう余力はないぞ」


 ライルの力が強大すぎて、シャオとロゼリアの攻撃でも戦闘不能に至らない。

 このままでは、押し切られてしまうだろう。

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