「はん! 冷やしてばかりじゃなく、火もお見舞いしてやるぜ!!」
そう叫んだのはレスティだった。
彼女は両手を広げると、炎の玉を作りだす。
「くらえっ! 【クリムゾン・ファイアー】!!」
彼女が叫ぶと、生み出された火の塊が弾丸となって連合軍の方へと飛んで行った。
「ぐあああぁっ!」
「ぎぃやあっ!」
着弾と同時に炸裂したそれは、多数の兵士を吹き飛ばした。
――俺の仲間は、それぞれ竜の加護により強化されている。
そんじょそこらの兵士よりも遥かに強い。
しかし、そんな中でも当然『格』というものはある。
俺とリリアがツートップ。
次点で、戦闘に長けた紅猫族のレスティ。
そして、その他大勢といったところか。
「ば、馬鹿な……! たった2人で――」
「はい、隙ありです!」
ズバッ!
音もなく近づいたアイシャが、兵士の首筋に刃を走らせた。
隠密行動に長けた彼女なら、これぐらいはできる。
「――はははははは!!」
力のまま暴れているのは、村娘ミルカだ。
彼女は特に戦闘の経験が豊富なわけじゃないし、まぁこんなものだろう。
それでも、竜の加護だけで一般兵ぐらいは圧倒できる。
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