「ご主人! もう終わりだよ! 諦めて王座から降りてくれ!!」
レスティが叫ぶ。
他の面々も追従した。
いや、それだけではない。
いつの間にか、一般兵たちが王座の間になだれ込んできている。
「な、なんだ……?」
俺は混乱した。
一体どうなっている?
なぜこんなにも大勢の者たちが俺に逆らうのか?
そんな俺の疑問に、1人の女が答えた。
「ライルよ。ちょっとばかり想定外の事態といったところかの?」
「……リリア?」
リリアが王座の間に、優雅に歩いてくる。
彼女は、誰も寄せ付けないような雰囲気を醸し出している。
「余としては、全てが筋書き通りじゃがの」
リリアはそう言って、俺の前までやってきた。
彼女からは濃密な死の気配が漂ってくる。
「どういうことだ……? なぜ、みんなは俺の味方をしない?」
「簡単じゃよ。お前さんと奴らは、住む世界が違いすぎたのじゃ」
リリアは優雅に微笑む。
そんな彼女の言葉の意味を、俺はしばらく理解することができなかった……。
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