俺はBランク冒険者のシャオ・ブランシェの首を切り飛ばした。
――が、別に殺すつもりはない。
これは調教だ。
シルバータイガー狩りに向けて、手駒は従順にしておかないとな。
「さぁ、しっかりしろ。自分の置かれている状況が分かるか?」
「ぐぅうっ!? あ、アタイはいったい……?」
俺は右手で持っているシャオの頭部に話しかける。
やはり、彼女は自分がどうなったのか理解していない様子だ。
「お前は首を切られたんだ。ほら、見てみろ」
俺は右手に持った顔の向きを調整し、左手で支えている体を見せてやる。
「なっ!? ひ、ひいぃいっ!!!」
シャオはそれを見て悲鳴を上げた。
自らの首がない――つまりは斬首されたということに気づいたらしい。
「さっきの威勢の良さはどこに行ったんだ? ん? 俺に対して剣を突きつけたくせによ」
「ひっ!! や、やめて……殺さないでくれ……!」
必死に懇願を始めるシャオ。
さすがにBランク冒険者であっても、首を切られた状態で強い精神力を維持できるほどではなかったらしい。
まぁ、それも仕方ないか。
頭部だけになった彼女に、抵抗の術はない。
俺が発動している生命維持魔法『仮初の命』を切れば、すぐにでも死んでしまう状況なのだから。
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