S級スキル【竜化】持ちの俺、トカゲと間違われて実家を追放されるが、覚醒し竜王に見初められる。今さら戻れと言われてももう遅い。お前たちは、俺たちの属国として面倒を見てやるよ

猪木洋平@【コミカライズ連載中】
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245話 ルーシーの容態-4

公開日時: 2024年1月10日(水) 10:38
文字数:620

「こいつはガルドだ。いろいろあって女体化しているけどな」


「あ……ああ……」


 ルーシーは怯えた表情を浮かべると、ガタガタと震える。

 そして、涙目になった。


「や……いや……」


 彼女はそう呟くと、両手で自分の顔を覆う。

 そして、小さくしゃくりあげた。


「お……おいっ!?」


 ガルドが困惑しながら言う。

 俺は肩を竦めた。


「やっぱり、駄目みたいだな」


「なっ……!?」


 ガルドが驚愕する。

 彼女は慌ててルーシーに声をかけた。


「そんなに怖がらないでくれよ! 俺は反省してるんだ! なぁ、おい!! お前が許してくれねぇと、俺はお兄ちゃんに――ぐげっ!?」


「大きな声を出すな。ルーシーが怯えているだろ」


 俺はガルドの脇腹に拳を叩き込む。

 彼女は苦しそうな表情を浮かべて、その場に跪いた。


「げほっ……」


「ルーシーが怯えている以上、やはりお前の存在は消し去った方が良さそうだな」


 俺は少しばかり残念に思う。

 クソみたいな弟だったが、これでも家族として多少の情は残っていたのかもしれん。

 それに、ブリケード王国の支配において便利な駒だったし、一戦力としても優秀だった。

 奉仕の技術も向上中。

 決して使い勝手の悪い奴ではなかったのだが……まあ、仕方がないことだ。


「ま、待ってくれぇ! 俺に時間をくれ! この平民娘に、何とか俺の無害さをアピールするからぁっ!!!」


 ガルドが必死の形相で叫ぶ。

 自分の命が懸かっているのだから当然か。

 ルーシーに悪影響を与えない範囲でなら、少しぐらいの猶予を与えてやってもいいが……。

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