「ふう。堪能させてもらった」
俺はそう言う。
女性がぐったりとした顔で地面に横たわっている。
「ライル様ぁ……。気持ちよかったです……」
「それは結構」
俺は満足げな顔の女性を見つめる。
「では、さらなる褒美をくれてやる」
俺はそう言って、竜の加護を女性に与えた。
「……ん? あれっ!?」
女性が驚いたように目を開く。
「私の体の調子が……? それに、擦り傷も治っています」
「うむ。俺のとあるスキルの恩恵だ」
「ええっ!? そのようなスキルが……?」
「このことは他言無用だ。もし口外すれば……わかっているな?」
ギロッ!
俺は女をにらむ。
「は、はい! もちろんでございます!」
女性は緊張した面持ちで背筋を伸ばす。
素直に同意してくれたようで何よりだ。
俺としても、ペットのように愛くるしいこの女を殺すのは惜しい。
できれば口外しないでもらいたいところである。
「うむ。ちゃんと秘密を守っていれば、命の保証はする。それに、また抱いてやってもいい」
「ぜ、ぜひお願いします! 秘密は守ります。私にできることがあれば、他にも何でも言ってください!」
女が上気した顔でそう言う。
俺のS級スキル竜化の副次的な恩恵は多々ある。
通常時の魔力、闘気、身体の頑丈さなどの向上などだ。
さらに、ここ最近で実感したのだが、どうやら精力やその方面の技巧も向上しているようである。
この女もずいぶんとよがっていた。
その上で竜の加護も与えてやったし、もはやこいつが俺の意向に逆らうことはないだろう。
「ほほう。随分と盛り上がってきたのう」
リリアがニヤつきながらこちらを見る。
「別に楽しんでいるわけではないぞ?」
俺の言いなりになる手駒を増やしておけば、エリクサーの材料集めに向けていろいろと便利なことも多いだろう。
決して、私利私欲のために好きなことをしているわけではない。
「本当かのー」
リリアが疑うような視線を向けてくる。
まあ、純粋に女の体を楽しむ気持ちがゼロだったとは言えないが……。
「本当のことだとも。さて、そろそろ行くとするかな。本来の目的を果たそう」
俺はそう言って、誤魔化しておいた。
「確か、盗賊団の討伐だったの?」
「ああ。空からは見えていたが、向こうの方角に村があったはずだ。まずはそこへ向かおう」
リリアの問いに、俺はそう答える。
そして、俺たち3人は歩き始めたのだった。
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