「なぁんだ、お前もライルさまの女だったのか!」
「そういうあなたもなのね。お互いにライル様の子を産んだ者同士で仲良くしましょう」
最初はギクシャクしていたサテラとミルカ。
だが、お互いの素性や事情を打ち明けると、すぐに意気投合してしまったようだ。
場所は違えど二人とも山村育ちということもあり、境遇が非常に近かったことが要因の一つかもしれない。
また、俺の子を産んだ女たち同士ということで共感するところも多かったのだろう。
――そう、先ほど俺に飛びついてきた赤子は、俺の子だったらしいのだ。
S級スキル竜化を持つ俺の子だけあって、赤子ながらもなかなかの身体能力を持っている。
将来が楽しみだ。
そんな二人のやりとりを見た他の女性陣たちはというと――
「ライルは子だくさんじゃの」
「ま、まさかこれほどに出遅れてしまうとは……」
「ゴシュジンは強い雄だからな。当然の結果だ」
「私も……いつかライル様のお子を……」
竜王リリア、商会長の娘スピカ、奴隷レスティ、ギルド職員アイシャがそれぞれの感想を口にする。
そんな中、ただ一人、キーネだけが青い顔をしていた。
「どうしたキーネ。顔色が悪いぞ」
「い、いえ……。その……そちらの女性ですが……」
キーネが震える手で指をさす先にいたのは――全裸で床に這いつくばる、みすぼらしい女奴隷だった。
首輪をはめ、そこからは鎖が伸びている。
まるで家畜といった感じの扱いだ。
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