S級スキル【竜化】持ちの俺、トカゲと間違われて実家を追放されるが、覚醒し竜王に見初められる。今さら戻れと言われてももう遅い。お前たちは、俺たちの属国として面倒を見てやるよ

猪木洋平@【コミカライズ連載中】
猪木洋平@【コミカライズ連載中】

211話 ライルvsガルド -2

公開日時: 2023年9月13日(水) 09:42
文字数:601

「な、なんでぇぇ!!」


「お前は俺の【竜化】を外れスキルだと言ったな? だが、蓋を開けてみればなんてことはない。お前の【剣聖】が外れスキルだっただけのこと」


「ち、畜生!! なめやがってぇ!!」


 ガルドが叫びながら何度も剣を振るってくる。

 S級スキル【竜化】持ちの俺には、その動きが酷く遅く見えた。


「――【竜尾】」


「がっはあああぁっ!?」


 部分的に竜化させた尻尾を使い、軽く薙ぎ払う。

 それを受けたガルドは地面の上を転がっていった。

 ……少し力を入れ過ぎたか。

 連合軍の集団に合流してしまった。


「おい、ガルド。有象無象に紛れ込んで逃げるつもりか? それとも何か策があるか?」


「…………」


「だんまりか。まぁいい」


 逃げられても面倒だ。

 集団ごと魔法で薙ぎ払うか……。

 俺が魔法を使うために右手を掲げた時だった。


「わ、若様……」


「――ん? お前は……」


 群衆の中から、見知った女が現れた。

 彼女はガルドに剣を突きつけられている。


「はっはぁ! ライル! これでも俺を攻撃できるかぁ!?」


「……そいつから離れろ、ガルド」


「おうおう、効果バツグンってかぁ? そりゃそうだろうな! こいつは、お前の親衛隊の隊長だった奴だからな!」


「…………」


 ガルドの言っていることは事実だ。

 人質のように剣を突きつけられている彼女の名はロゼリア。

 かつては俺の護衛を務めていた女だ。

 もっとも、俺がブリケード王国から追放されてしまったため、今の俺には何の関係もない存在だが……。

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