「これが仕上げじゃ。竜の加護を与えた眷属を自らの手で殺し――人族への未練を全て断ち切れ。そして、完全な竜と化すのじゃ」
「そ、そんな……馬鹿な……!」
俺は王座から立ち上がる。
そして、剣を抜くと――リリアに斬りかかった!
「おお、怖い怖い。夫婦喧嘩に刃物は禁止じゃよ」
リリアはそう言って、俺の斬撃を回避する。
そんな彼女は、まるで幽霊のように霞んでいた。
「余はしばし、この場を去ろうぞ。お前さんが人族を鏖殺した頃を見計らって、また迎えに来るのじゃ。……それまでは、しばしのお別れじゃ」
「ま、待て……!」
俺は王座の間を去るリリアに手を伸ばすが――次の瞬間、彼女は跡形もなく消え去ってしまった。
その直後、一際強い頭痛が俺の脳内を駆け巡り、俺の意識を奪ったのだった。
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