「ふん、Bランク冒険者のくせに情けないことを言うんだな」
挑発するように言い放った俺であったが、それがかえって逆効果だったようだ。
プライドが傷つけられたのか、激昂した様子で怒鳴りつけてくる。
「おまっ……! 自分の立場がわかって言ってんのかぁっ!!?」
「もちろんわかっているさ」
冷静に返す俺に、言葉を失うシャオであったものの――それでも納得できない様子であったので補足説明をすることにした。
「俺もBランク冒険者だ。『白銀の大牙』の入手難易度が高いことぐらいは分かっている」
「だろ? シルバータイガーは危険なんだ。だから……」
「勘違いするな。入手難易度が高いことと、危険度が高いことは別の話だ」
「なっ!?」
驚くシャオに対して、俺は説明を続けることにした。
「そもそもの話だが……B級の魔物”ごとき”に尻込みするとは、Bランク冒険者としての実力が足りないんじゃないか?」
「……てめぇ! 喧嘩売ってんのかぁ……ああ゛っ?」
彼女は血走った目で睨みつけてくる。
そして、懐の剣を抜いた。
素早い動きで、俺の首へと突きつけた。
「今すぐ撤回しろや! さもないとぶっ殺すぞ?」
まったくもって頭の悪い奴だな……。
剣なんかで俺を傷付けられると思っているとは。
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