村の少女ミルカと交戦中だ。
多少痛い目に遭わせてやったのだが、彼女はまだまだ戦闘意欲を失わない。
俺は彼女の心を折る手段を考える。
「ふむ。いいことを思いついたぞ」
掴んでいた彼女の頭を離し、代わりに足首を掴む。
「ううっ! な、何を……」
彼女が抵抗するが、もちろん俺の力には敵わない。
そのまま逆さ吊りにしてやった。
彼女のスカートは重力に従って下に落ちていく。
「ほう。意外と可愛いパンツを履いているじゃないか」
俺はそう言って、彼女の太ももを撫で上げる。
「ぎゃぁああ!」
ミルカが叫び声を上げた。
彼女が手でスカートを押さえる。
「ふん。威勢はよくても、所詮はただのガキだな。パンツはお子様用だし、太ももの色気も足りん」
「くそっ! 離せ! 離せぇ!!」
彼女が逆さ吊りの状態のまま、右手で俺にパンチを繰り出す。
だが、体勢が不安定なこともあり、大した威力ではない。
「やれやれ……。そんな力の込もっていない攻撃で俺がどうにかなるとでも? せめて、両手を使ったらどうだ?」
「み、見えちまうだろうが! こんなことされてたら!」
彼女が顔を赤くしてそう言う。
「ふん。威勢はいいのに、羞恥心程度で行動が制約されるとはな。パンツだけではなく、覚悟もお子様か」
「くぅうう! もう許さねえ! 後で覚えていろ!!」
彼女がそう吠える。
はぁ……。
まったく。
なぜこう、いちいち面倒な手順を踏まねばいかんのかね。
俺としては穏便に済ませたいところなのだがな。
……仕方ない。
もう少し怖い目に遭ってもらうか……。
「口を閉じてろ。舌を噛むぞ」
「な、なにを……」
「そおいっ!」
俺は彼女を空高く投げ上げた。
そして彼女が勢いよく落ちてくる。
「ぎゃぁああああああ!!!」
彼女はそのまま地面に落下……するわけではない。
もちろん受け止めてやる。
「【エアークッション】」
俺はそう唱え、優しく彼女の体を宙に浮かせて着地させた。
「て、てめえ……。こんなことしてただで済むと……」
少女がこちらを睨んでくる。
まだ恐怖が足りないか。
「【エアーシュート】」
「ぎゃあ! ああぁーっ……」
少女がまた空高く射出されていく。
そして、落ちてくる。
俺の風魔法でそれを受け止める。
その一連の流れを何度か繰り返す。
「ぐ……。い、いい加減に……」
また繰り返す。
「も、もう十分だろ……?」
繰り返す。
「アタシが悪かった! だからやめてくれぇ!!」
さらに繰り返す。
「ゆ、許してください。なんでも言う事聞くからぁ! だから、これ以上は勘弁してくれよぉ……」
ミルカが半泣きでそう言う。
ふう。
ようやく折れたか……。
根性だけは一人前だったな。
俺はため息をつきつつ、次にすべきことを考え始めた。
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