「愚かな男じゃ。身も心も竜になれば、余と同格になれるものを……」
「うるさい! 黙れ!!」
ライルが吠える。
そんな彼に、リリアは言った。
「まぁ良い。こうなっては打つ手なしじゃろう。ゆっくりと手なづけて――」
「【火華剣閃】!!」
「【火猫爪】!!」
「ぬおっ!? 何者じゃ!!」
リリアは飛びのく。
彼女がいたところには、複数の火属性攻撃が打ち込まれていた。
「ちっ……。仕留め残ったか……。ぶっ殺す絶好のチャンスだったのによ」
「だがよ、ご主人の拘束は解けたぜ! 竜王の氷だって、今のアタシたちなら壊せる!!」
攻撃の主は、ガルドとレスティだった。
無事にライルを正気に戻した彼女たちは、リリアを迎え撃つべく気配を消していたのである。
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