違法奴隷商人たちを壊滅させた俺は、拠点の宿屋に戻る。
そして、レスティを紹介することにした。
「――というわけで、コイツを俺の奴隷にした。今日からは仲間だ。仲良くするように」
「うむ」
リリアが鷹揚に頷く。
竜王である彼女はちょっとやそっとのことで動じることはない。
新しい仲間もあっさりと受け入れてくれる。
まぁ、木っ端の人族の味方などどうでもいいと感じている側面もあるだろうが。
「承知しました! お任せください!!」
スピカが元気よく返事をする。
彼女は商会頭取の娘で、今後のシルバータイガー狩りの段取りを整えてくれる予定だ。
確か、商会経由でシャオとかいうBランク冒険者も呼び寄せてくれるのだったか。
「ライル様がそう仰るのなら、私に否やはありません」
サテラがそう答える。
彼女は『雪原の霊峰』の近くにある山村の住民だ。
俺が戯れに手を出した結果、娘となるサティを身ごもり出産した。
さして尊い血筋を持っているわけではないが、こうなったからには面倒を見てやるつもりだ。
「「「分かりました!!」」」
キーネを始めとする奴隷冒険者が答える。
ここ最近の活動を通して、彼女たち5人の冒険者ランクはCランクとなっている。
S級スキル竜化を持つ俺からすれば雑魚ではあるが、一般的にはそれなりだ。
シルバータイガーの素材に気を遣いながら狩りをする際にも、戦力になってくれるだろう。
「奴隷ですか? ええっと……」
この中で唯一戸惑った声を上げるのは、冒険者ギルドの受付嬢であるアイシャだ。
隠密能力や事務処理能力は悪くないのだが、突発的な事象への対応力はまだまだだな。
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