「申し訳ありません、ライル様……。私たちは……」
「可愛い娘サティの将来のために、ライル様には王座を退いていただきます」
彼女たちはそう言って俺の命令を拒絶する。
訳が分からない。
父親である俺が王を務めていた方が、彼女たちにとって間違いなく都合が良いはずなのに……。
「……お兄ちゃん」
「ガルド? ……ああ、そうだった! お前がいたか! ほら、あいつらを皆殺しにしろ!!」
俺はガルドに指示を出す。
こいつは俺の弟だ。
エリクサーの副作用によって女体化し、様々な拷問を経て今ではすっかり俺に従順になっている。
拷問により刻み込まれた恐怖は、俺への反逆など許さないはずだ。
「お前は俺に逆らえないはずだろ? さっさとやれ!」
「断る。……お兄ちゃんはもう……人間じゃない」
「はぁ?」
俺は唖然とする。
まさか、ガルドまでもが反逆するとは……。
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