料理の知識がないので、なんとなく調べながら書きました。
変なところあったらすいません。
あ、自分は納豆も、豆腐も大好きです。
今回もよろしくお願いします。
「さて、それじゃ時間もあまりないから準備始めるよ!」
「はい、スミカお姉ちゃんっ!」
「はいなの、スミカお姉さんっ!!」
「オウッ!!」
私の言葉に、三者三様の返事をする。
なかなかに気合が入っているようだ。
私は『大豆工房◎出張所』の前に、昨日ニスマジの『ノコアシ商店』で買った大型の鉄板コンロと、大量の食器や調理器具などを取り出す。
次に、ログマさんのところで買った大量の肉もさらに取り出す。
他にも大量の野菜や、果物も置いていく。
この大型鉄板コンロは、街のお祭りの出店とか、冒険者が野営などで使用するもの。しかも持ち運べる様に分解もできる。
火元は火の魔石で出すことも、薪などでも代用で使える便利なものだ。
大きさは200cm×150cmある。
そう、この鉄板で、大豆工房◎出張所で売れない味噌料理を作って『試食』をしてもらい、買ってもらう作戦なのだ。現代だとデパ地下などでやっている、実演販売と試食みたいなものだ。
「それと、ユーアと、メルウは手分けして肉を切って、味噌に付け込んでおいて。マズナさんは、コンロに火を点けて熱しておいてちょうだい。それと鍋にもお湯を沸かしておいて」
私は三人に指示を出していく。
「うん、わかった。メルウちゃん、ボクがお肉切るから、お味噌にお願いっ!」
「はいなの。ユーアお姉さんっ!」
「おうよっ!」
指示を受けた三人は早速行動を開始する。
「スミカさん、何を作るか聞いていいかっ!!」
火をおこしながら、マズナが聞いてくる。
「悪かったね、最初にメニュー教えないとかないと自主的に動けないよね」
私は三人にメニューを伝える。
「鉄板では『味噌の肉の串焼き』と、野菜もあるから『味噌肉野菜炒め』、鍋では『お味噌汁』で、具は、豆腐や油揚げ、できれば『納豆』でもお味噌汁を作って欲しいんだ」
「オウッわかったっ! 大豆をふんだんに使った定番料理ばかりだっ! なら任せろっ!」
「メルウちゃん、ボク、分からないから教えてくれる?」
「はいなの! 一緒に教えながらやりますのっ!」
三人はお互いに確認しながら、声を掛け合い準備を進めていく。
通りは、もうすぐ昼時の為、食事を求めてくる人が増えてきた。
「もう、下準備は終わってる?」
私は三人に確認する。
「うん、ボクと、メルウちゃんは大丈夫だよ、スミカお姉ちゃんっ!」
「こっちも大丈夫だッ!!」
よし、今なら良い頃合いだろう。
「なら、ユーアとメルウはお味噌汁を来たお客さんに配って。あ、食器は回収して」
「うんっ!」
「はいなのっ!」
「マズナさんは、鉄板の肉関係をお願い。私も一緒にやるから」
「オゥッ! 任せろ!!」
マズナさんが、味噌に付け込んだ肉を焼いていくと、味噌の焼けた匂い、肉の香ばしい匂いが辺りに充満していく。
近くの屋台を覗いていた人たちも、
「お、嗅いだ事のない旨そうな匂いだ!」
「ん? なんだこの匂いは? 腹が鳴ってしまうぞ」
すぐさま反応を見せる。
よし、掴みは上々だ。
「よしっ!」
私はそれを見て、自分より大きな透明壁を展開し、味噌の香ばしい匂いを辺りに振り撒くように大きく仰ぐ。周りには味噌の焼ける、香ばしい匂いが更に広まっていく。
「オウッ! そこの兄さん達、食べてきなッ! うちの大豆を使った絶品の味噌料理ばかりだッ! 今日は『タダ』だ食ってくれッ! で、もし旨かったら、うちの商品を買ってくれなッ!!」
マズナが、大声で宣伝を開始する。
「こっちの『お味噌汁』も具が沢山入っておいしいよっ! お野菜に『お豆腐』に『油揚げ』に『納豆』も入ってるよっ!」
「本当に、おいしいのっ! おいしかったら買って欲しいの」
それに感化されたように、ユーアとメルウも声を張り上げ宣伝をする。
「お、なんだ良い匂いだな」
「タダなのか? なら食ってみるかっ!」
「でもあれって、腐った豆じゃなかったか?」
「ああやって、売り物にしているんだから大丈夫じゃないのか?」
「ああ、そうだな」
「俺はちょっとなぁ、旨そうな匂いなのはわかるが……」
「………………」
ぐぅ、反応は悪くはないけど、元々の先入観が思っていたよりも強すぎる。
結構な人が集まってきてはいるが、遠巻きに様子を伺っているだけで、なかなか一歩が出てこない。
「っ!!」
う――、もう少し、もう一味、誰か一人、食べてくれれば、いけそうなのに、その一人がいない。 どうする……
「よう、ここでやってたんだな。少し探し回ったぞ」
「あら、いい匂いね。冒険者時代に食べたのを思い出すわ」
「え、ログマさんとカジカさん!? どうしてここに」
聞こえてきた声に驚く。
つい先日お世話になった二人の登場に。
「はぁーい、わたしもいるわよぉ」
二人の後ろから、またも見知った顔が飛び出す。
「ニスマジっ!?」
「そうよぉ、わたしよぉ。昨日、スミカちゃんから今日の事きいたでしょう? それとユーアちゃんの事も。だからぁ、わたしが二人に声を掛けたのよぉ。何か手伝えるかなってねぇ」
相変わらずクネクネ、しなを作りながら話してくる。
「まあ、そういう事だ。肉の事なら専門の俺に任せろ。もちろん味噌の事も知っている」
「それじゃ、ワタシはお客さんに、配膳する係ね。自分でもお店やってるから得意よ」
なんとも、頼もしい味方がきてくれた!
「それじゃ、指示をだしていい?」
「ああ、頼む」
「OKよ」
「なんでも言ってぇ」
「それじゃ、ログマさんは、マズナさんに代わってもらって、肉担当に。抜けたマズナさんは、ユーアとメルウと代わって、味噌汁担当で。カジカさんは肉関係と、汁物の配膳をメーンで。外れたユーアとメルウは、引き継ぎしたら、これに着替えてきて」
私は全員に一指示を出していく。
「わたしはぁ?」
全員だと思ったら一人余っていた。
「ニスマジは、ここら辺で顔が広いでしょう? だったら売り込みをお願いしたいんだけど」
「はぁーい、わかったわよぉ。見知った顔も多いから、任せてねぇ」
クネクネとニスマジは人混みに消えていく。
「マズナさん、俺はトロノ精肉店のログマだ。肉は専門だ。切るのも焼くのも俺に任せてくれ」
「オウッ! 悪いな! あんたも、この忙しい時間に」
「ああ、それは気にしなくても大丈夫だ。それよりも俺は『大人の義務』を果たしにきただけだから」
「そうか、よくわからねえが、よろしく頼むッ!!」
マズナはユーアたちと持ち場をチェンジする。
「それじゃ、ユーアとメルウはこれに着替えて」
私はアイテムボックスより、ある衣装を取り出す。
「え、スミカお姉ちゃん、これなんですか?」
渡された衣装を、不思議そうに広げようとする。
「いいから、いいから。こっちきて」
私は、ユーアとメルウを店の裏に連れて行く。
ここなら、人目に付かないかな。
「それじゃ、この中で着替えてね」
アイテムボックスからレストエリアを出す
「さ、入って、入って。急いで急いで!」
私を二人の背中を押して、無理やり家の中に入れる。
念のために、透明壁で覆って保護色にしておく。
「え、スミカお姉ちゃんっ!」
「ええっ! なんで家がでてくるの!?」
「私は戻るから、着替えたら私のところに来て」
そう言って私は離れて、大豆工房◎出張所の前に戻る。
ログマさんが焼いている、肉料理も、マズナさんが作っている、汁物にも、少しづつではあるが、人が集まり始めていた。
肉大好きなユーアも認める、お店の店主ログマさんと、食堂で働く奥さんのカジカさんも、ここの近辺では有名なんだろうか、二人に声を掛けてくる人も多い。
着ぐるみ来ていないのに。
それでも、まだもう少し足りない。
「スミカお姉ちゃん、何これ、恥ずかしいよぉ…………」
「恥ずかしいの…………」
私が、着替えてと渡した衣装を着た二人が、モジモジしながら目を伏せる。
恥ずかしそうにお互いを見やる二人に、私は内心でニヤリと笑みを浮かべた。
『よしっ!』
これで、もう一味必要だった『インパクト』が揃ったかも。
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