剣も魔法も使えない黒蝶少女、異世界でも無双する?

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第3蝶 街に待った初めての街編

異世界の街と身分証

公開日時: 2021年2月5日(金) 12:10
更新日時: 2021年2月5日(金) 12:44
文字数:2,531

ちょこちょこ訂正と加筆していますがまだ読みずらいですね。

もう少し色々と直していきますね。

 



 ぞろぞろと、美少女2人と強面の男10人で歩くこと2時間弱。



 道中、魔物にも遭遇することもなく、ようやく街を囲む外壁が見えてきた。


 ユーアは相変わらず、ここまできても男たちに可愛がられていて、みんなのマスコットみたくなっていた。


 特に初老を迎える位の年齢の男たちには大人気だった。

 きっと孫みたいな感覚なのだろう。


 私がおばあちゃんだったら、もっと可愛がるけど。


 それにしても、一般人には見えない強面の男たちが美幼女を囲んでいるのを見ると、思わず通報したくなる。


 そんな中にいてもユーアは、屈託のない無邪気な笑顔で仲良くおしゃべりをしている。ここに来る間に随分と慣れてしまったようだ。


 話しかけられる男たちも、自然と目を細め、口元も緩みきって、締まりのない顔で相槌を打ったり、笑顔で話しかけている。


 私はそんなだらしない顔を見て、更に通報したい欲求に駆られる。

 余りにものその変貌ぶりに。


 でも、そこがユーアの魅力って言えばきっとそうなんだろう。

 そんな風にも思える。


 私? 私も大人気だったよ?

 話しかけては来なかったけど、チラチラと視線は感じていたからね。


 多分だけど声を掛けずらかったんじゃないかな?


 ほら、高嶺の花とか、高貴な雰囲気とかあるじゃない?蝶には。

 そういうのを本能的に感じちゃったんじゃないかと思う。

 視線が合ってもすぐ逸らしてたしね……



「ではルーギルの旦那。 自分らはここらで集落に戻ります。また何かありましたら声を掛けてください。いつでもお手伝いしますので」


 ルーギル以外の男たちは、ここでお別れらしい。

 元罪人なのもあって、極力街には出入りしたくないそうだ。



「おうッ!『スバ』ありがとよ、またよろしくなッ!」



 ルーギルに声を掛けた背の高い細身の体躯の男は『スバ』というらしい。

スバは集落を纏める元冒険者で、ルーギルにはその時の恩義があるらしい。



 スバと男たちはユーアに手を振って、私には軽く会釈して帰って行った。




※※



「スミカお姉ちゃん、着きましたっ!」

「へえ~、意外と大きいんだね」


「大変な目に合ったけど生きて帰れたぜッ!」



 そして私たちはコムケの街の門に辿り着いた。


 コムケ街を守る門には、二人の門兵が立っており出入りする人物をチェックしている。



 私たち三人は、順番に街に入る人たちの最後尾に並んで順番を待つ。

 私たちの番になり、ルーギルを先頭に街に入っていく。


 その際にルーギルは胸ポケットより冒険者証を出し、

 ユーアも同じようにして門兵に見せて入っていく。


「おう、ルーギル随分可愛らしいお供を連れてんな、今日はもう終いか?」

「んぁ、そうだな、後はギルドに報告するだけだッ」


 顔見知りなのか、門兵の一人とルーギルが話している。


「ちょっと先輩、後がつかえちゃうんで話は後にして下さいよ」


 すぐさまもう一人の若い門兵に注意される。


「おう、悪い悪い、またなルーギル!」

「おぅ、じゃーなッ!」


 なんて締めくくり、次は私の番。


「…………………ず、随分へんな、変わった格好だな? 見ない顔だがこの街は初めてか?わ、悪いが嬢ちゃんもカードを見せてくれ」


 門兵の男は私と視線を合わさずにそう聞いてくる。


「……………………」


 なんかこの人、初対面の美少女に『変』とか言い掛けなかった? 



「持ってないよ。ないと街に入れないの?」

「今時、身分カードが無いって、一体どんな田舎から来たんだ?」

「えっ?ず、ずっと遠い大陸の山奥に住んでたんだ。だからカードとかなかったんだよ」


 私は適当に話を作ってみる。


「遠い大陸の山奥? フリアカ大陸か?あそこなら仕方ないか。ならこっちに来てくれ」

「そ、そうそうっ! そのフリフリ大陸っ!」


 おおっ、言ってみるもんだねっ!



 門兵の男に付いていき、すぐ近くの詰め所らしき小屋に案内される。



 それを聞いていたユーアとルーギルは、


「え!? スミカお姉ちゃん冒険者じゃなかったの?」

「……スミカ嬢、あの強さで冒険者じゃねぇとかおかしいだろッ!」


「………………」


 そんな事を言われた。


 知らないよ。

 そんな世界の常識みたいに言われたって。



「嬢ちゃん、この用紙に記入してこっちのカードには魔力を通してくれ」


 椅子に座った私を見て一枚の紙と薄いカードを差し出してくる。


「は、はいっ? まりょくっ!?」


「そうだ。その魔力だ」


「ね、ねえ、魔力って誰でもだせるの?わ、私のいた所では聞いた事ないんだけどっ!ど、どうなのっ!魔力が出ないと街に入れないのっ?」


 なんとか動揺を抑えて聞いてみる。


「うん?そうなのか、魔力は誰でも持っているぞ。実践レベルで使える奴は稀だが…………。まあとりあえずカードに手をかざしてみてくれ。出来ると思うぞ」


 門兵はそう言ってカードを差し出してくる。


「う、うん、やってみるよっ」


『にっ逃げられないっ!異世界人の私に魔力なんてあるの!?』

 

 緊張しながらなんとなく『念』らしき物を送ってみる。


「お、おおおっ!!」


 するとカードが、薄っすらと白く光り出した。


「うん全然問題ないみたいだな。これで仮登録は終わりだ。街民として本登録する場合は教会にいってくれ。ギルド関連に登録したいなら、各ギルドに行ってくれ。ようこそコムケの街へ」


 そう言って笑顔で手を差し出してくる。


「あ、ありがとっ」


 私も笑顔で握り返しお礼をする。



 ふぅ、やっと街に入れた。



「待たせてごめんね、二人とも」


 私は詰所の外で待っていた、ユーアとルーギルに合流した。


「どうするんだ?スミカ嬢。その強さなら冒険者に登録するのか?」


 すぐさまルーギルが聞いてくる。


「ス、スミカお姉ちゃんっ!ボクと一緒の冒険者になってください!スミカお姉ちゃんと一緒に冒険したいですっ!!」


 ユーアがキラキラした目で素敵な提案をしてきた。


「そうだね、ユーアと一緒に冒険しようかっ!」


 ユーアの頭を撫でながら微笑んで答える。


「うんっ! やったーっ! ありがとうスミカお姉ちゃんっ!」


 ユーアも満面の笑顔で答えてきた。



 もちろんユーアが冒険者って聞いた時から決めていた。

 だって一緒に生きていくと、守ると決めたんだから。



「おぅ、そうと決まれば冒険者ギルド行くぞ。こっちは報告もあるし、スミカ嬢も俺と集落の奴らの事確認すんだろォ」



 ルーギルを先頭に、私たちはその後ろに付いていく。

 仲の良い姉妹の様に手を繋いで歩いていく。



やっと街に入れました。

これから人物も増えてくるかと思います。

読み終わったら、ポイントを付けましょう!

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