「葬儀は、もう終わったの…?」
「はぁ??」
母さんは裏返った声で、何言ってんのと突っ込んできた。
そんな難しいことを聞いたつもりはない。
終わったか終わってないか
それだけのことでしょ?
なのに
「葬儀って、誰の?」
「誰?誰…って…」
何言ってんだ?
会話が全然噛み合わなかった。
大輝の葬儀に決まってる。
私も喪服のままだ。
朝起きて、慌てて着替えたんだ。
衣装ケースから引っ張り出して、それで…
…………って、あれ………?
……なに
………………これ?
喪服を着てたはずなのに、いつの間にか服が変わってる。
「服」が。
男子用のジャケットに、チェック柄のスクールパンツ。
ズボンの外に出したシャツが、ジャケットの裾の下に見えた。
あり得ない
最初に現れた感情だった。
見慣れない制服と、ガラスの向こうにいる「自分」の姿を見た、——“印象”は。
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