ゲーム好きだけど見た目がパリピなので隠して生きてます

本当は私もオフ会に参加して友達が欲しい
宮下
宮下

001 ゲームとリアル

公開日時: 2022年8月23日(火) 20:00
文字数:744


アイシャドウはグラデーションで、今日はオレンジベース。

はね上げるようにアイラインを引いたら、パーマをかけてあるまつ毛にしっかりとマスカラを塗っていく。

まつ毛をピンセットで束にするのは1番のこだわりポイントだ。

涙袋にラメを入れて・・・。


よし、可愛い。


ふとスマホの画面が目に入る。

普段はカラメルという名前でやっている、お気に入りのMMORPG【GravityFantasia-グラビティファンタジア-】

そこで私が所属しているギルド【ひだまりハウス】でのチャット欄が今画面に写っている。


『焼きそば: して、この間のオフ会は楽しかったですね!!!!』

『ぺぺリン: ですねー』

『ありあん: 全員集合は無理でしたが、いつか全員で集まりたいですねー(*^^*)』


「全員集合か・・・」

静かな部屋にため息が響く。


いいなー、楽しそう。

私も、オフ会に・・・。


そこまで考えて首を振る。


私だって昔はオフ会に参加したことがある。

でも私はメイクが濃いめだし、服も露出の多いものが好き。

そんな見た目のせいでオフ会の次の日からゲーム内でハブられるようになった。

後で知ったことだが、怖そう、住む世界が違うと言っていたようだ。


ゲームの中の私と、リアルの私。

どっちも変わらず私なのに。


今のギルドメンバーはみんないい人、それは分かってる・・・。

それでもあのオフ会がトラウマになって、オフ会に参加出来ずにいる。


よし、今日はお気に入りのリップを塗ろう。


髪の毛をセットして、ピアスを付けて。

今日の洋服はこの間一目惚れした水色のオフショル。

うなじにワンプッシュ香水をつけたら__。


「うん!今日の私も可愛い!」


鏡の前でにっこり笑う。

私受け抜群で気分上げて、仕事へ向かう。


好きな格好で適度に仕事して、大好きなゲームをする。

今の私には、それで充分だ。

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