ボク、女の子に生まれ変わったけど、元気です!

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第十一話 九月八日(木) 新計画、始動!

公開日時: 2022年8月4日(木) 21:01
文字数:1,772

「そういえばさ」


 今日はいつもと逆に、ボクとバーシがククの机に集まって、休み時間に雑談。もちろん、シャロンも一緒。


「二人のお父さんお母さんって、お仕事何やってるの?」


 うちが食堂、バーシが服屋さんなことは、こないだ話したのだけど、そういえば、二人のほうは訊いていなかった。


「あー。うち、親父は会社員。かーちゃんは専業主婦」


「うちはパパが市役所の職員で、ママが小学校の先生っすね」


 へー。というか、シャロンのお母さんの職業が意外。


「シャロンは、やっぱり、お母さんのいる学校に通ったの?」


「いや。むしろ親子だと、ベンギを図っちゃう可能性があるってんで、ママは、うちの入学と入れ替わりに、学校変わったっす」


 なるほどねえ。


「学校の先生って、何時ぐらいに帰ってくるの?」


「遅いっすよー。七時に帰ってきたら、早いほうっす。生徒が帰った後も、色々やることあるんすよ」


 ひょえー。


「シャロンは、家帰って誰もいないって、寂しくない?」


「まー、慣れたっすねえ」


 ボクだったら、帰ったら誰もいなくて、一人モソモソ夕ご飯を食べるとか、耐えられないな……。


「じゃあさ、今度四人で遊ばない?」


「お、さんせー。シンボクを深めたかったしな!」


「この中で、一番家が広いの誰だろ?」


 各自のおうち事情を、突き合わせる。


 結果、ボクの家に集まろうという話になりました。


「でも、アユムとバーシは、火曜以外暇ないんだろ? どうすっかね」


「うーん。そこは、お父さんとお母さんに相談してみる」


 というわけで、詳しい打ち合わせは明日またすることになり、今日の授業もバリバリ楽しみ、下校となりました。



 ◆ ◆ ◆



「いいわよ」


 お父さんたちに相談すると、あっさりお母さんから、火曜以外の休みの許可がもらえました。


「ねえ、アルクお父さんさん?」


 お父さんも、うんうんうなずく。


「ほんとは、店の手伝いなんかさせず、自由にさせてあげたかったところだからな。適当に休んでもらって、かまわないよ」


「うわあ、ありがとう!」


 立ち上がって、背後から二人の肩を抱く。


「じゃあ、部活の日にちも増やしていいかな?」


「いいんじゃない? ねえ?」


 お母さんが、お父さんを見る。


「ん。青春は一度きり。アユムの好きなようにするといいよ」


「ありがとー!」


 肩を抱く力に、さらに力を込める。二人とも、大好き!


「バーシにも、様子を聞いてくるね!」


 もうパジャマなので、電話でコール。


「もしもし?」


「あ、おばさんですね? アユムです。バーシいますか?」


「待っててね」


 送話口を手で押さえているのだろう、「バーシー」という呼び声が、くぐもって聞こえる。


 ややあって。


「お待たせー。遊ぶ日のこと?」


「うん。うちはね……」


 さっき、大変太っ腹な許可をもらったことを告げる。


「おおー。うちも、そんな感じの許可もらったよー」


「おお、やった! これで、気兼ねなく遊んだり部活できるね!」


「だね。明日、ネコザキ先生に、部活動日の変更伝えないと」


 あとは雑談で盛り上がり、そろそろ宿題しないとってことで、通話を終わりました。



 ◆ ◆ ◆



「おー、やったじゃん! これで、気兼ねなく遊べるな!」


 休み時間、ククの机にたむろしながら、結果報告。早速、喜んでくれました。


「で、部活日だけどどうする?」


 火曜以外も放課後はフリーになったわけだけど。


「土日は、さすがにうちらが家族と、どっか行ったりしたいからなあ」


 ククがシャロンを見ると、「っす」とだけ言って、うなずく。


 うーん。勤め人と、自営業の溝。


「じゃあ、火はボクらが家族と何かする日にして、水木ぐらいにしとく?」


 月金は、月は週明けでだるいし、金は、ククたちが休み前でゆっくりしたいだろうから、この二日を挙げる。


「ん。いんじゃね? シャロンはどうよ?」


「問題ないっす」


 「バーシは?」と問うと、彼女も同意。


「じゃあ、お昼休みに、ネコザキ先生に変更を伝えてくるね」


 予鈴が鳴ったので、各自の席に戻る。



 ◆ ◆ ◆



「あら、今度は水木になったの?」


「ころころ変わってすみません」


 職員室で、お茶を飲んでるネコザキ先生に、恐縮する。


「いえ、まだ書類作ってる最中だったから気にしないで。私も、それにスケジュール合わせないとね」


 お茶を飲み干し、コトリと茶碗を置く。


「来週水曜には、許可降りるかしら? 楽しみにしててちょうだいね」


「はい!」


 ペコリとお辞儀し、職員室を退出。


 ああ! ボクの第二の人生、充実してるなあ!!

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