未章
一章 乙女たち
二章 狼煙
三章 真剣勝負
四章 恐慌
五章 黒衣
六章 雷鳴
七章 十四番目
八章 魔窟
九章 決戦
十章 炎、揺らめく
十一章 風の詩
十二章 越えるべきもの
十三章 銀の双子
十四章 桃源郷
終章 未来へ
――どこかの世界、いつかの時代。
山と崖に囲まれ世界から隔絶された盆地に小さな里があった。
そこに住まう住民は巫術(ふじゅつ)というちょっとした特殊能力を持ち、長き世代に渡ってささやかながらも平和で満たされた生活を送っていた。
しかし、ある日のこと。里の長の家に十二の家の長女が呼び出されるとそこには氷漬けとなった長の息子の姿があり、少女たちは「刻印」と呼ばれる紋様をその手に与えらる。そしてその刻印を奪い合う「儀式」を行い、勝者には長の息子の氷の呪いを解いて、その正妻になるようにと告げられる。
当然納得のいかない少女たちだったが、物語はすでに動き出していた――。
これはそれぞれが異なる想い、守りたいものを抱いて、理不尽な戦いに身を投じる少女たちの群像劇。彼女らが求め、選んだ道の先には果たして何があるのか――。
※一部に流血などのやや残酷な描写があります
※一部にガールズラブ要素を含みます(性的描写はありません)
※約十四万字で完結します。縦読み対応。