てんどん

〜転生魔剣士ちゃんの鈍行隠居生活 木こり風森小屋の調理場仕立て お騒がせお嬢さまを添えて〜
白居 漣河
白居 漣河

お料理講座 その二『パンチェッタ』 後半

公開日時: 2021年1月14日(木) 12:16
文字数:1,436

 前回からの続きだ。



  最後にハーブだが、これは最初に言った通り、テキトーかつお好みでいい。今回使ってるのは、左から順に黒胡椒、白胡椒、タイム、ナツメグ、バジル、クミン、そして岩塩だ。

 一応王道なスパイスを紹介しておくと、まずは胡椒。ほとんどどんな料理にも合うし、大体の家庭にはあるはずだ。こだわるならば、ペッパーミルとホールの胡椒を買って、その場でいて使うと格段に香りが良くなる。

 それとタイム。殺菌効果に優れ、爽やかな香りをつけてくれる。日本じゃあまりなじみがないかもしれないけど、洋食の肉料理には欠かせないハーブだ。あとはナツメグ。ローストした豚肉と、とても相性がいい。ハンバーグなんかによく使われるスパイスだな。



 塩とスパイスをまぶし終えたら、以上で味付けは終わり。肉をキッチンペーパーで包み、バットに寝かせて、あとはひたすら冷蔵庫で寝かせて、熟成させる。2日も経つと、肉からドリップが出てきて、バットがびしょびしょになるだろう。そこで一度ペーパーを変えてやって、後3日ほど寝かせる。



 冬場で毎日の最高気温が10度を下回るようなら、風通しのいいベランダとかで熟成させるといいだろう。ただし、その場合は鳥に持っていかれないように、鳥よけネットの中に入れること。

 今回は5日の塩漬け期間をとっているが、この期間も人それぞれだ。3日~7日くらいの間で、自分の好みに合わせて決めるといいんじゃないだろうか。



 5日ほど経つと、このように肉は一回り小さくなって、赤身も落ち着いた赤褐色せきかっしょくに変わる。ここで、表面のスパイスを洗い流そう。香りは既に肉に移っているので、綺麗に洗い流して大丈夫だ。

 そして、肉の端を切り取って味見をしてみよう。このとき、パンチェッタは生食用ではないので、必ず火を通すこと。パスタやスープなどに用いるために作るなら、結構しょっぱくてもいい。余りにもしょっぱすぎると思ったら、水に浸けて塩抜きだ。

 今回は塩抜きを行っていないが、塩抜きをする場合は、1%ほどの食塩水に数時間漬けて行う。これは「迎え塩」と呼ばれる技法で、真水につけるよりも、食塩水に漬けた方が塩の抜けが早いんだ。


 またキッチンペーパーでくるんで5日ほど冷蔵庫で寝かせれば、熟成完了だ。冬場ならここから1週間くらいは冷蔵庫で保存がきくけど、安全のためには熟成が終わったら早めに使い切るか、冷凍庫に移してしまうことをおススメする。

 水分が抜けて固くなっているいるため、生肉よりも切りやすいはずだ。包丁がちゃんと研がれていれば、向こうが透けるくらいの薄切りにもできるぞ。ただし、生ハムではないので、火はちゃんと通して食べるように。



 今回はばら肉を使ってパンチェッタの作り方を紹介したが、これがもも肉の塩漬けならプロシュット、ほほ肉ならグアンチャーレ、背油ならラルドとなる。恐らく一番手に入りやすく用途も広いのがパンチェッタなのでその作り方を紹介したが、是非他の部位でも作ってみて欲しい。

 また、スパイスの種類を変えることによって中華料理用にしたり、東南アジア系の料理用にしたりもできるし、手間はかかるが燻製にすれば、さらに違った風味も楽しめる。

 10日間という期間をかけるのはなかなか面倒くさいかもしれないが、慣れてくるとむしろ、熟成が進んでいくのを楽しめるようになるぞ。


 アマトリチャーナにポトフ、ジャーマンポテトなどなど、ベーコンを使う料理にパンチェッタを使うと、違った風味を楽しめる。是非是非、試してみてくれ。

 それじゃ、また。

 ここまで読んでいただき、ありがとうございます! 次回からは第二章に入ります!


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