すると目の前にまたしても扉が現れた。
「こちらでございます。」
黒男はそう言ってランを扉の前に立たせ、腕を大きく回し扉を開けた。
開けた瞬間、陽気な音楽と赤、黄色、水色、白、明るい色の光が目に入ってくる。暗闇にいたからか、とっても眩しく感じる。
ランは眩い空間へ歩み始めた。
「わあ、すごい」
そこには屋台や雑貨屋のようなものがたくさんあった。子供の好きな物を全部ここに詰め入れたような空間。そこはまるでゲームセンターと夏祭りにある屋台の雰囲気を混ぜ合わせたような空間だ。もし小さい子どもがここに来たら、駄々をこねて帰ろうとしないだろう。
ランもこの異世界のような空間に夢中になった。黒男は扉の前に立ったままである。
ランは古くて壊れてるのか動くのか分からないゲームマシーンをいじる。
「うわあ、ほとんど使えないじゃん…でもこれ、小さい頃にゲームセンターで見たことあるかも。」
そこにあるものすべて、よく見ると古くて、雑貨屋に置いてるものも誰かのお古のようなものばかりだ。
読み終わったら、ポイントを付けましょう!