ランはこの夏、祖母の家に向かう。母がガタガタ道で揺れる車を慎重に運転しながら、ランは窓の景色を眺める。毎年来ても、猫がおり、人があまり歩いてない、ほのぼのとした町だ。大きな坂を上がると、小さな家が見えてきた。
祖母の家はとてもかわいい。小さな古い一階建ての一軒家で、まるでジブリに出てきそうなお家。特にランのお気に入りはトイレだ。トイレの扉にはかわいい羊の絵、扉を開けると壁にはいくつもの絵が飾られ、床や壁はタイルで埋め尽くされてる。トイレのくせに、祖母の家で一番洒落ている。
「おばあちゃーん、こんにちはー。」
ランは少し重たいドアをあけ、元気よく挨拶をする。
「あら、ランちゃん。久しぶり。」
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