トイレのうえには

扉を開けたら、そこは思い出
シュシュ
シュシュ

トイレが消えた1

公開日時: 2021年7月11日(日) 15:32
更新日時: 2021年7月13日(火) 01:35
文字数:294

ランはこの夏、祖母の家に向かう。母がガタガタ道で揺れる車を慎重に運転しながら、ランは窓の景色を眺める。毎年来ても、猫がおり、人があまり歩いてない、ほのぼのとした町だ。大きな坂を上がると、小さな家が見えてきた。

祖母の家はとてもかわいい。小さな古い一階建ての一軒家で、まるでジブリに出てきそうなお家。特にランのお気に入りはトイレだ。トイレの扉にはかわいい羊の絵、扉を開けると壁にはいくつもの絵が飾られ、床や壁はタイルで埋め尽くされてる。トイレのくせに、祖母の家で一番洒落ている。


「おばあちゃーん、こんにちはー。」


ランは少し重たいドアをあけ、元気よく挨拶をする。


「あら、ランちゃん。久しぶり。」

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