少し悪さでもしてるかのような気持ちで、ランは床のきしむ音がならないよう静かに歩く。
「なんか、少し、不気味だな…」
今まで祖母と母がずっといたが、いざ祖母の家で一人になると少し怖い。なぜかわからないけど。たぶん母が昔に描いただろう祖母や祖父の似顔絵や古い人形がたくさん飾られているからだろう。顔が、多い。
ランは廊下を歩き続け、トイレの部屋の前まで来た。そして、トイレの部屋のドアノブに手をかける。
が、しっかり鍵が掛かっていた。
ランは心の中で舌打ちしそうになったが、よく考えるとトイレの扉の鍵は古くボタン式?のため、ガチャガチャひねればすぐ開けられる事に気付く。
「おばあちゃん、警備が甘いな。そもそもなんでこんなに入らせようとしないのよ。」
ランは3分ほどドアノブをひねらせると、やっとカチャッと音がなり、扉が開いた。
ランは少しドキドキしながら部屋を覗き込む。やっぱり、トイレから普通の寝室になっている。だけど床や壁のタイル、飾ってある絵はそのままだった。インテリアとしてはとてもかわいい。
でも、やっぱり、トイレから寝室に変えるって汚い。
やはり祖母の行動は理解できなかった。
ランは少し奥に足を進めてみた。ベッドがある。そしてさり気なく天井を見た。
え…?
ランは目を凝らした。
なんと天井には、階段が見えたのだ。
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