ヴイ・ライフ

Vi Life. あなた達の人生。
Kay.
Kay.

#1コイン ポポーとおばさん

公開日時: 2022年3月13日(日) 23:04
更新日時: 2022年3月14日(月) 18:26
文字数:1,740

切手図鑑#1

King George V Overprint

シリーズ:Provisional Government of Ireland, 1922

テーマ:王冠・君主

発行:デフィニティブ

額面:½  p - アイルランド ペニー

発行部数:10,320,000

色:緑

印刷:活版印刷

発行年:1922-02-17

サイズ:20.5 x 24.5 ミリメートル

国:アイルランド 1922年


・Provisional Government of Irelandとは、1922年に設立されたアイルランド臨時政府の事。

アービングにある切手店、ヴイ。このお店では毎日奇想天外な事が起きるユニークなお店だ。


ポポーはビデオカメラを起動させて店内を映す。まずは自分を映し、話した。


やあ! 初めてまして。「ヴイ・ショップ」にようこそ! ここでは切手やコインが売られていると同時に展示会のように鑑賞することも可能です。売買も行っております。では、店の中を紹介します。


中にはこう言った透明なケースに入れられて見ることが出来ます。お客さんはここからは見ることしか出来ませんが、このファイルから好きな切手を選んで買えます。このように。


と、ポポーは切手が入っているファイルをレジ下の引き出しから取り出してカメラに映した。


では次は従業員を紹介します。ここの警備員のボブ・クーパー。白人で元軍人だ。


次はここのオーナー、メラニー・ハリス・パー。俺の母の姉、つまりおばさんだ。ここ経営者で切手界の女王! そしておれの師匠だ。


は〜い! メラニーよ。ヴイ・ショップにようこそ、楽しんでね。


次はビルギット・ロイター。ドイツ系の男だ!


やあ、楽しんでね。


次は期待の新人、タイナ・ロサス。


私はタイナ、ここは楽しいわよ。


タイナは元々ダラスで、郵便局員だったんだ。おれがスカウトしたんだ。今日で2週間だ。


ということで、ヴイ・ショップでした! またね!


と、ビデオカメラを切った。


すると、メラニーが話しかけてきた。


ポポー、なんで急にYouTubeなんて始めたんだい?


なんでって切手の事をもっと知って欲しいからだよ。


そうかい、まあ楽しかったからいいけど。


ポポーは早速、YouTubeに投稿した。


そこにお客さんが入ってくる。


やあ! ポポー!


おお! グロスバード!今日はなんの用だ?


アイルランド1922年の切手が欲しくてね。


なるほどね。ちょっとまっててね。


ああ。


タイナ、アイルランドのファイルを取ってきてくれ。


わかった。


タイナはレジ下の引き出しからファイルを取り出した。レジのカウンターには多数の引き出しがあり、切手がある。国別や発行年などで分けてある。


これでいい? ポポー。


ああ、あってる。


それで、どんな切手だ?


いや迷うな、1922年はまだ買ったことないからな。


じゃあこれはどうだ?


そうか、1から揃えるわけだな。今日は1枚にするよ。


やあ! グロスバード!


と、メラニーがやってくる。


ロスさん! お久しぶりですです。


どうしてた?


仕事が忙しいくて中々来れなかったよ、今日はたまたま仕事でアービングに来たので、寄ったんです。ついでに切手を買おうと思って。


そうかい、そうかい。


そういえば、YouTube始めたって?


ああ、1週間にね。


と、ポポーが答える。


反響はどうだ?


まあまあかな、まだ始めたばかりだし。


なるほどね。まあ頑張ってくれ。それじゃあまた来るよ、これから仕事なんで。しかし、この緑の切手は美しいな。ありがとう。


ああ、喜んでくれておれ嬉しいよ。またなグロスバード。


グロスバードは切手を買い、店の外へと出た。


店内では、ポポーが行動をしていた。


メラニーは自分のオフィスにいた。


ああ、私最近太ったな。


そこにポポーが入ってくる。


やあ、ハリスさん。なにしてんの?


なにってクビレを見てんのさ。太ったなって、痩せないと。


ふっ。今更気にしてもしょうがないだろ。


女性にそんな事言うんじゃない!


女性ね…… 。


なによ?


なにもない。それより、この企画書を見て欲しい。


なんだこれ?


展示会を作りたいんだ。


それなら表にあるだろ。


あれだと多く入れられない。もっと広い展示会が必要なんだ。だから高価な切手やコインだけ集めて、展示会の経営をやりたいんだ。


却下。


え!? なんで? よく考えてよ。


私はこの企画書を読まなくてもわかる。クソみたいな企画書だろ、どうせ。


ひどいな。


とにかく、おれはやりたい。また話す。


と、ポポーはオフィスを出た。


全くあの子はなにも分かってないな。誰がこんなに分厚い書類、読むのかね。


一方表のソファーでポポーは考えていた。そこにタイナがやってくる。


ねえ。


ん? タイナか、どした?


なにか悩んでる?


なにも? あ、お客さん来たからレジ頼む。


わかったわ。


タイナはレジの方へと向かった。


ポポーはあの展示の事をずーと考えていた。おばさんはどんな企画や案は却下する。何故なのだろうか。


タイナはポポーを心配していた。















ー #1コイン ポポーとおばさん ー つづく。

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