・あらすじ
パラミツ大陸・ジャクソンフルーツ自治国中心街の酒場に住むタピアンは白服の男から突然、王子と結婚しろと言われ、城に連れられるが王子コウジとは合わず喧嘩し、婚約破棄。だが、お互い反発しつつも友情を深める。そして、タピアンは決意する。以前からの夢である宮廷パクチニストという特殊な仕事を目指すことした。こうして、タピアンの人生が始まる。時として、コウジとは信頼が生まれるが、2人の行方は?
これは夢を追う少女と王子のファンタジーライフストーリー!
これはもう1つの世界のお話。
パラミツ大陸にあるジャクソンフルーツ自治国にて。
ジャケツイバラという街にある酒場「シュロ」。その店は今日も賑わっていた。そんな時であった。急に酒場の扉が開き、白い服を着た人達が来た。
「ん? なんだ?」と酒場のお客さんや、店主やウェイトレスの女性もビックリしていた。
白服の男性1人が話た。「おい、タピアンってやつはどこだ?」そう言った。
〈タピアン〉ここよ、私がタピアンよ。何の用?
〈白服の男〉タピアン、お前は本日をもってトルンジャ城現王子コウジ様の婚約者としてお連れする!準備せよ!
〈タピアン〉は?
すると、シュロの店主がやってくる。
〈ノジェロ〉おいどういうことだ?
〈白服の男〉このタピアンは珍しい白い色の髪色をしている。王子はそこに目をつけたのだ
〈ノジェロ〉はぁ…… ?
〈タピアン〉ちょっとまって! そんな理由で私を選んだのか!?
〈白服の男〉そうだ! 王子の命令は絶対だ
〈タピアン〉ふざけたやつだね。わかった、準備する
〈ノジェロ〉行くのか!?
〈タピアン〉大丈夫だよ、オヤジさんちょっと様子みるだけだから、すぐ戻るよ
〈ノジェロ〉わかった
タピアンは酒場の二階に向かい、自分の部屋で小さめなリュックを持って降りてきた。タピアンは親が誰なのかわからない。この酒場のオヤジさんに拾われた。あれは凄く暑い夜だったそうだ。酒場の扉付近で小さな籠の中、1人赤子が寝ていた。オヤジさんはそんな赤子を拾って名をタピアンと名付け、今まで育てた。このオヤジさんが親のようなものだ。おかげで逞しくそだった。タピアンは荷物を持ち、オヤジさんに「行ってくるね」そう言い、酒場をでた。
〈白服の男 〉おい、君はこの馬車に乗れ
〈タピアン 〉わかったわ
白服たちとタピアンは馬車に乗り、城に向かった。
城はすぐ着く。この街の中心街なのだから。
馬車は城の門をくぐると、広い庭園を抜け次の門で止まった。
〈白服の男〉おい、降りろここから王子の間まで歩いて行くぞ
〈タピアン〉はい
そういうと、白服とタピアンは馬車を後にし、城内へと入っていった。なんて、広い城だ。タピアンは城内を見渡しながらびっくりしていた。何年もこの街に住んでるが、城の中には入ったことない。それはそうだ。貴族でもないし、王女でもないし兵士でもないのだから、それはそうだ。ただ、今入ってみて思うのは、城の中とはこんなにも見たことない景色だ。まるで、宝石のようだ。
そう思いながらタピアンは白服に連れられ城内を進んだ。
ここは王女がいる王女の間。そこにコウジ王子はタピアンを待っている。目付きの悪い白服の男が「ツガでございます! ただいまタピアン殿をお連れしました!」と大きな声で扉の向こうへ叫ぶ。
「入れ!」男性の声で、聴こえた。すると、白服の男は、その扉を開けた。開けたその先に見えたのは2人の付き人と、大きな豪華ないかにも王子が座りそうな椅子に男は座っていた。悪魔のような雰囲気をもたらした男性だ。実はこの王子は、この国では策士の鬼王とも呼ばれ、先の戦争でも活躍し、国を統治した。父である王様でも手が付けられないほどの我がゆく最凶の王子コウジ・アクチラムス二世だ。
タピアンと白服は、コウジの目の前で跪いた。
「その方、顔をあげよ」その言葉に2人は顔を上げる。タピアンはその時1番近くで、王子の顔を初めてみた。その顔は、たしかに王子の風格がある。だが、何処と無く小柄な男だった。ツンツンヘアーに橙色のかかった髪色服装は貴族のような赤と金の服。身体は細めだが、近くでみるとごつくて筋肉質だ。少し肌は茶で綺麗な健康肌をしている。まじまじみると、なんでこんな子が王子で、しかも最凶なんて呼ばれているのか、タピアンは見ただけでは全く思わなかった。そう、この時はなにも全く思ってなかった、あの男の全貌を。
タピアンは目を見開いて、コウジを顔をみていた。
何一つ目をタピアンから離さなかった。逆に、拍子抜けした。どこぞの馬鹿な王子様ならガツンと一発言って、帰ればいいと考えていたのだから。タピアンは予想とは反して驚いた。衝撃だった。
これからどんな出来事が待っているのだろうか。この時はなにも考えてなかった。
そして、このさきタピアンたちはどんな生活、人生を送ることになるのか。誰もわからない、本人でさえも。
これは運命と想い、まだ見ぬ2人の男女を中心とした、心に染み付くヒューマンドラマである。
始まり始まり。
ー ♯1d 白髪の女の子 ー つづく
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