「え?」
「うん」
階段を上り始めた彼女たちは、上から聞こえてきた声に対してすぐに行動した。
舞踏会に出ていたドレス姿の女の子二人と、それぞれに一人づつぴったり側についているメイドの四人だった。メイドは主人が階段を上りやすいようにドレスの後ろ側をたくしあげていた。ドレス姿の女の子の膝裏が露になっていた。動き易そうな膝丈スカートのメイドのふくらはぎがそれに付いていった。
四人の女子は足並みをきっちり揃えて女性用の折り返し階段を駆け上がって行った。
階段を上りきった彼女たちは、一人の若いメイドが息も絶え絶えに泣きながら廊下を這っている姿を見て一瞬驚いたが、すぐさま駆け寄った。
「ちょっ、どうしたの!?」
「あ、あ、あ お、お嬢様が ああああ」
尋常ではなく取り乱したメイドを、ドレス姿の女の子にお付きのメイドの二人が介抱し出した。
「大丈夫よ。ゆっくり息をして」
「そのまま横になって 」
「あああ お、お嬢様が 」
震える腕の指先が開けられたままのドアを差した。
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