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第3章 夏に飽きたから秋、そんな自身らにアキアキする

第16話 切ない秋だけに鳴けるお話(ミクル視点)

公開日時: 2023年4月29日(土) 14:45
文字数:1,889

 この章から秋の舞台へと話題が変化します。


 秋は過ごしやすい季節だけあり、色々と校内イベントが多い季節で祝日もそれなりにあったりします。

 学校でなぜ長い秋休みがないのか、この章タイトルの通り、毎回長休みがあっては飽きてしまうのかも知れませんね。

「今日から暦が秋になりましたね」

「夏休みもあっという間やったな」


 二学期の始業式。

 私はケセラさんと一緒に登校をしていました。


『ミーンミーンミィーン!』


 そこへ流れてくる夏の風物詩。

 私ったら学生の身なのに不思議と詩人な気分です。


「季節外れに鳴くセミの声がもの悲しいですね」

「あれやな、新学期なのに寝坊して間違えて夏服で登校したような感じやな」

「まあ、忘れたのなら仕方がないですよ」

「いんや、ここからが恐ろしいんや」


 ケセラさんが懐中電灯を胸ポケットから出して、顔にそれを近付けてスイッチを入れました。

 脅かそうとしたみたいですが、明るいので無意味と思うのですが?


「ばばーん! これは本当にあった世にもキショイ物語であーる」

「今でも十分に気持ち悪いですね」

「ビニール袋いるかい?」

「出来ればエコバッグでお願いします」

「単純にバッグ欲しいだけだよね?」


 乗り気になったケセラさんを上手く利用しようと考えましたが、思った以上にスペックが高かったみたいですね。


「何なん、さっきからウチを睨みつけて?」

「いえ、その輝く瞳に見とれてるだけです」

「意味ほとんど一緒やろ?」


 私はケセラさんが持っていた電灯をしまわせていると正門で見知った顔ぶれと出会いました。

 ジーラさんにリンカさん、二人とも今日も和やかなムードです。


「……ケセラ、二十四時間ぶりに再会」

「いや、それやと一日やから普通におかしいやろ?」

「……では地球の自転を視野に入れて計算し」

「つまりバク転ということですわ」

「いや、リンカ、それやと地球揺れるで?」

「……どうせなら半分に割ってみたい」


 ジーラさんが目を潤ませながら、ケセラさんを脅しています。

 オレオレ詐欺ならぬ、俺んち詐欺です。


「きっと家系はスパイな構図なんでしょうね」

「……とあるアニメに感化」

「ええ、ジーラさんが貸してくれた漫画本が役に立ちました」


 ジーラさん、漫画が好きと聞いて、色々と読ませてもらいましたが、小説とは違った面白さがありましたね。


「さっきから何言うてるんや、あの二人は?」

「日本語かどうかも怪しいですわね」


 一方で私たちの会話についていけないお二人さん。

 あなたたちとは背負っているフィールドが違うのです。


「……フフフ……BTフィールドネタはウケる」

「専用のコンセントはガソリンスタンドにあるのでしょうか?」

「……普通に家で充電」

「なるほど、エコでいいですね」


 私はジーラさんとエコな世界を目指しています。

 まずは街でのポイ捨て行為を減らし、CO2を削減するのです。


「……ミクル、気持ち分かる」

「……でもそれを無理に強制したら市民が暴動を起こす」

「なるほど、一年中ハロウィン騒ぎなんですね」

「……そうお菓子が食べたいお年頃」

「まさに、いとおかしですよね!」


 私は自慢げに自身の胸を強く叩きながら……、


「ゴホゴホ!」


 ……思いっきり咳き込みました。


「お馬鹿やな、強く叩きすぎやで」

「下手をすると肋骨が折れますわよ」

「リンカ、笑えない冗談はやめて」

「いえ、リンカはいつだって本気ですわよ」


 リンカさんが地面にしゃがみこんで手をヒラヒラと振り出しました。

 あの様子だとケセラさんを誘っているようです。


「何なら今ここで試してみます?」


 リンカさんが指の関節を鳴らしながら、ケセラさんを寝かせたいみたいですが、すでに校内なのでマジシャンの遊びごとは禁止です。


「リンカさん、それ以前に私のケセラさんで遊ばないでもらえますか?」

「ミクル……」


 その発言が嬉しかったのか、ケセラさんが照れ隠しか、私に微笑んできました。


「……実はおもちゃの設定らしい」

「そうなん!?」


 ジーラさんがニタニタしながらケセラさんを挑発しているようです。


「はい、現場からは以上でした」

「ちょい、待てーや!」

「ケセラさん、マテ貝のシーズンは過ぎましたが?」

「貝に罪はないやろー!」


 形勢は逆転し、私はなぜか親友から追いかけられてます。


「そんなケセラさんが追い回してくるので、赤いハンカチで誘導しようと思います」

「ウチは警備員ごっこは求めてないで?」


 ケセラさんははっきりと言いました。

 タダで立っているのはつまらないと。


「……鳴かぬなら鳴かせてみせよう、キリギリス」


 私とケセラさんの喜劇な悲劇を知り、ジーラさんの瞳から大量の水滴が流れ出しました。


「ジーラさん、泣いてしまいましたね」

「今のどこに泣ける要素があったん?」

「いや、待って下さい。ジーラさんよく見たらスマホを観ています」

「えっ? どれどれ」


 私とケセラさんは泣いているジーラさんの後ろに回り込み、背後からその映像を覗いてみました。


「……本当に泣ける童話シリーズですか?」

「紛らわしいわ!」

 秋だけに泣ける話を書いてみたい気分でしたが、このコメディ作品ではそのような展開は入れられず、急遽、最後でやってみた感な内容でした。

 泣ける童話と締めくくっているのですが、本当の童話は怖いという本が一時期流行ってましたよね。

読み終わったら、ポイントを付けましょう!

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