ダークエルフ姫であるライティア22歳は婚約相手である魔族リッスング22歳と
一緒に晴天の日に高原を歩いていると
「リッスング、気持ちが良い日ですね」
「そうだな、ライティアは俺が婚約相手で良かったのか?」
「どうしてそんな事を聞くのですか、リッスングがいいんですよ」
「そうか、そう言ってもらえると嬉しいな」
「私もリッスングと婚約出来ている事が嬉しいのです」
ライティアとリッスングは足を止めて
「リッスング、キスしてくれませんか?」
「ああっ、わかった」
リッスングはライティアを抱き寄せるとライティアの唇に唇を重ねて
キスしているのです。
キスされているライティアは頬を朱色に染めていまして、
恥ずかしいという気持ちがあるのでしょう。
「キスしてくれてありがとうございます」
「いやっ、ライティアの要望に応えただけだ」
ライティアは頭を下げながら、お礼を言っているのです。
2人はそのまま高原を歩いていまして、小屋へ戻るとライティアとリッスングは
小屋の中でお喋りをしているのです。
2人は特にこれといって何もする事もないし、
お暇をしているのです。
そんな時でした。
リッスングがライティアの側まで行くと真剣な表情で
「大事なお話がある」
「大事なお話ですか?」
「そうだ」
「どんなお話ですか?」
「婚約のお話なんだけどな、婚約を破棄しようと思っている」
「いきなりどうしたのですか?」
「やっぱり君とは釣り合わない」
「私がダークエルフ姫だからですか?」
「そうだ」
「まぁ、リッスングが婚約を破棄するというのなら
仕方がありませんね」
「随分とあっさりとしているな」
「ええっ、こういうのは抵抗しても意味はないですし、
潔く受け入れるのがいいでしょうね」
「成程な」
「リッスング、今までありがとうございました」
「こちらこそ、本当にすまない」
2人とも何故だかダークエルフ王に呼ばれたのですが、何故呼ばれたのか2人ともわからないのでした。
「リッスング、婚約破棄したのだろう?」
そう聞いてくる龍騎王の表情は凄く険しいのでした。
「俺が婚約破棄したんだ」
「私も婚約破棄を受け入れました」
そう言われてダークエルフ王は声を荒げるのでした。
「何という事をしてくれたのだ! この国では婚約破棄は重罪に当たるのだぞ!
どのような条件であっても異論は認められぬ! 即刻この国から出て行け!!!!」
そう叫ばれて戸惑う2人。
しかも、ダークエルフの間に控えている兵士達によって国を追い出されてしまうのでした。
「ねぇ、リッスング、追放されたね」
「そうだな、追放されたな」
「まさかダークエルフ王があんな事をするなんて
思ってもみなかったな」
「まあ、誰でもわからない事もあるさ」
「それもそうね」
「これからどうするんだ?」
「リッスングとは恋愛する理由はないです」
「そうだが……ライティアはもう姫ではないだろう」
「そうね、ごく普通のダークエルフね」
「頑張れよ」
「うん、リッスングも頑張ってね」
お互いに別れを告げると2人とも別々の道を歩んでいるのでした。
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