慎平の治療を受けベッドで眠っていたシンが目を覚ました。
「……」
無言で身体を起こしシンは床で寝ている慎平に目を向け近づいた。
その後、シンは慎平をお姫様抱っこしベッドに仰向けで寝かせると顔を近づけ唇と唇を重ねた。
その頃、黒猫は人気のない場所でシンがとった行動に驚いていた。
「人間を憎んでいたシンが人間を庇い傷ついた…あの人間のために…」
シンへの憎しみの黒いオーラを黒猫が放ったその時、黒い月が黒猫の身体を人間の身体にした。
「俺が人間に…」
驚きながら黒猫は黒い月を見つめ黒い月から力を受け取った。
その後、黒猫は黒い服を身にまとい野良猫の仲間を呼び寄せた。
「黒猫も人間になったのか」
「黒い月によって俺も人間になった」
「何だか変わったな」
1匹の野良猫が口にしたその後、黒猫は黒い月の力を野良猫達に注ぎ命令した。
「野良猫にした人間達に復讐するんだ」
「うおおお」
「行け」
黒猫の合図と共に野良猫達は散らばった。
「……」
黒い月の力を浴びなかった白猫は黒猫に築かれないようにその場から離れた。
「シンはあの男に心を奪われ役に立たない俺が人間どもに復讐してやる」
そう言って黒猫はその場から姿を消した。
━慎平の自宅━
「……」
シンに運ばれベッドで寝ていた慎平は目を覚まし身体を起こした。
「何で俺がベッドで寝てんだ?…それにシンは?」
ベッドからおりると慎平は時計に目を向けた。
「7時か、長く寝てたんだな」
そう言って慎平は窓に近づき窓を開くと暗い空に驚いた。
「朝の7時なのに何で空が暗いんだ」
「慎平、大変だ」
「シン、どこに行ってたんだ」
そう言って慎平が近づくとシンが口を開いた。
「全ての猫達が人を襲ってる」
「止めないと」
そう言って慎平が寝室を出ようとしたその時、シンは慎平の手首を掴み引き寄せ抱きしめた。
「慎平に出会わなかったら俺は人間に復讐してた」
「シンと人間の間に何があったの?」
「俺はここの猫じゃない、国は滅びたが猫と人間だけが暮らす国に暮らしていた」
「どうして国は滅びたんだ?」
「共に暮らしていた猫を人間は捨て野良猫にしただから猫と人間は戦い国は滅びた」
そう言ってシンは慎平から離れ背を向け再び口を開いた。
「俺は生き延びここに辿り着いた」
「……」
「猫達を集め復讐しょうと思っていたのに」
そう言ってシンは振り返り慎平に向かって続きを口にした。
「慎平と出会って俺の中の復讐は消えた」
「……」
「猫が人間を襲ってるのは俺のせいだ、俺が責任を持って止める」
そう言ってシンは人間から三毛猫になり窓から飛びおりた。
「シン!」
窓に近づき外を見た慎平は姿がないことにホッとした。
「無事で良かった」
そう言って慎平が窓を閉めようとしたその時、人間姿の黒猫が宙に浮いたまま現れた。
驚きながら慎平が窓から離れると黒猫は中に入り床に足を着けた。
「シンは居ないようだな」
「……」
「シンが居ない方があんたをさらいやすい」
「え!」
驚いた顔で慎平が見つめると黒猫は慎平を眠らせ寝室から連れ去った。
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