「シン…シン…シン…」
人混みの中を走りながら慎平はシンの名を叫びキョロキョロしながら探し続け空は暗闇になった。
その後、慎平は疲れもあって探すのを止め自宅に戻った。
その頃、シンは慎平と出会った公園のベンチで座っていた。
「……」
「シン?」
「……」
名を呼ばれ振り向いたシンは近づいてくる黒猫と仲間の野良猫達に目を向けた。
「お前らどうしてここに」
「お前を探してここに戻ったらお前が居たんだ…それより何で憎い人間になってんだ」
「俺にもわからないんだ何で憎い人間になって慎平にキスをしたのか」
「憎い人間とキスをした?嘘だろ」
「嘘じゃない、俺は慎平とキスをした」
「人間への復讐を止めたなんて言わないよな」
「……」
「シン」
「混乱してるんだ、1人にしてくれ」
そう言ってシンがベンチから立ち上がり公園の中を歩いていくと黒猫が口を開いた。
「人間になるような猫はダメだ、俺達だけで飼い猫から野良猫にした人間達に復讐するぞ」
「今から復讐しに行くか」
「そうだな」
そう言って黒猫と仲間の野良猫達は散らばり復讐に向かった。
━慎平の自宅━
寝室のベッドに座りながらシンを心配していた慎平は眠気に襲われ身体を倒すと目を閉じ眠りについた。
それから暫くして叫び声が聞こえ慎平は目を覚まし身体を起こし窓に近づき外を見た。
「嘘だろ、猫が人を襲ってる」
そう言って慎平は寝室を離れ玄関に向かうと靴を履き外に出た。
その後、慎平は猫に襲われている人に近づき石を掴むと猫と人に当たらないように石を投げ猫と人を離れさせ人を助けた。
そこへ黒猫が現れた。
「お前、公園で助けてくれた男か」
「何で人を襲うんだ、そんなことする猫じゃないのに」
「シンが憎い人間を襲おうと言ったんだ、だから俺達は人間を襲ってる」
「シンが…」
「……」
油断している慎平に黒猫が飛びかかり倒れさせ爪で傷を付けようとしたその時、シンが現れた。
「やめろ」
「……」
シンの声で攻撃を止めた黒猫は慎平から離れシンに目を向けた。
「……」
無言で立ち上がると慎平はシンと黒猫を見つめた。
「シン、どうしたその格好は」
黒猫が話しかけるとシンが口を開いた。
「なぜ人を襲っている」
「なぜ人を襲っているだと、お前が人を襲えと言ったんだろだから人を襲っている」
「俺は人を襲うことを止めた」
「本気か?」
「本気だ」
「……」
黒猫が目線を慎平に向けるとシンが叫んだ。
「やめろ!」
黒猫が飛びかかり爪で慎平に攻撃しょうとする行為をシンは止めようと慎平に駆け寄り慎平を抱きしめ黒猫の攻撃を受けた。
「シン!」
「大丈夫だ」
慎平を抱きしめながらシンが口にすると黒猫は驚き逃げていった。
その後、シンは慎平から離れふらつき倒れた。
「シン!」
シンの背中に目を向けた慎平は酷い傷に驚いた。
「何が大丈夫だよ」
そう言って慎平はシンを寝室に運びベッドに寝かせると背中の治療を始めた。
それから暫くして治療を終えると慎平はシンの身体を仰向けに向けベッドから離れ壁に近づくと座り込みシンを見守った。
5分後、慎平も身体を倒し眠りについた。
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