「凌空先輩も浴衣似合ってますね!」
「2人ともほんとにお似合い!」
そう話してくれた深結と灯里に俺も
「ありがとう、2人も浴衣似合ってるよ?うん、2人ともいつも以上に可愛い。」
なんて返すと2人は、えヘへっと照れながら微笑んでくれたんだ。
「洸も陽翔も2人の浴衣姿を見れて良かったな」と2人をちょっと茶化してみると「か、可愛すぎて、俺は、困ってますっ…」
なんて返してくる洸に灯里は、洸の手をぎゅっと握って「困る事なんて何もないでしょ?」と少しムッと、でもどこか嬉しそうに問いかけていたんだ。
あ、あら…洸、顔真っ赤っか…
「そーゆーお前だって紡にアレやったんだろ?」
紡の首元に輝くネックレスを指さす陽翔に
「…はわっ!///」っと照れる紡。そんな紡に俺は、そっと寄り添い肩を抱いて…
「ああ、お揃いな?」と俺は、自分の首にかかったリングを陽翔に見せつけてやったんだ。
「ほんっとお熱いお2人だこと!!」
「先輩!私たちも負けてられない!!!」
陽翔と深結の言葉に、皆の顔にも自然と笑みが零れて、あははっと笑いあったんだ。
「…よし、んじゃ!写真撮ろう!!」
いつも通り洸が明るく切り出してくれて、社殿の階段にみんなで座って並び、俺はまた…紡の肩をギュッと抱いて身体を引き寄せてあげて、紡も満更でもなく俺の肩に頭を添えてくれたんだ。
「撮りますよー!!はいっ!チーズ!」
カシャッ!
夏の大切な思い出がまた1つ…俺たちのカセットテープに録音されていったんだ…。
◇ ◇
―撮影後
「そういえば、紡たちは花火大会どうするの〜?」と深結が問いかけてきた。
「先輩と見る予定だけど、どこで見るかは…」
「もう、決まってるんだ」
「…えっ?先輩、どういう…?」
「えへっ!やっぱり決まってるんだ〜♪」
俺の返答にいまいちピンと来ていない紡。
よくよくみんなの話を聞くと、洸も陽翔も花火大会を見るところをしっかりと決めていたらしく、各々で過ごす事を考えていたらしい。そりゃそうだよな、恋人との花火大会はムードがあるもん。俺も紡と2人きりで見たい…。
花火大会までは、後40分…。
そろそろ各々の場所で花火大会の時を待たないと人で溢れてしまう。
「深結、そろそろ行くかっ!」
「うん…!みんなにここで会えてよかった♪」
そう言って陽翔と深結は手を繋ぐ。
「灯里、ほ、ほらっ…///」
「もうっ…!///」
照れながら左脇を少し開ける洸に、そっと左腕を手に取り、寄り添う灯里。
「紡…?おいで?」
「う、うん…///」
俺は紡の手を取り、そのまま恋人繋ぎに切り替えてギュッと小さな手を包み込んであげた。
「次はまた大学でな!」
「みんな、残りも楽しんでね!!」
「ああ、またな」
みんなで言葉を残して俺たちはそれぞれ…歩みを進めて行ったんだ。
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