みずらくないがかきづらい

公開日時:2022年9月28日(水) 10:59更新日時:2022年9月28日(水) 10:59
話数:1文字数:399
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「教授、何ですか、その古い手紙?」

「ああ、明治時代の挿絵画家と歴史家の間でやりとりされた手紙だよ。長年、この件を調べてきて、ようやく子孫の家に残されていた事が判ったんだよ」

「へっ?」

「『みずら』って有るだろ? ほら、日本神話関係の絵や弥生時代の想像図で、男がやってる、あの独特の髪型……」

「ああ、あれですか……」

「実は、『みずら』と云う髪型は古事記や日本書紀には名前だけは度々出て来るが、どんな髪型だったのかの解釈は、江戸時代まで一定してなかったんだよ」

「へっ……? ああ、そう言われてみれば、変な髪型ですよね……」

「で、今の日本人がイメージする『みずら』のイメージそのままの絵を最初に描いたのが、この挿絵画家だったらしいんだが……ん? おい……何だ、こりゃ?」

「えっ? 何か変な事が書かれてたんですか?」

「『すいません、耳を写実的に描くのが面倒くさかったので、耳が隠れるような髪型にしました』だとさ……」

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