BLUE TEARS

最近流行りの小説が苦手な人。ファンタジーが大好きな人。に送る純粋ファンタジー作品。
気奇一星
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グラナへの手がかり

公開日時: 2020年9月15日(火) 18:08
文字数:1,664

 僕は、なぜここにいるか、青い瞳の女に説明した。


 「お前もか!」


 なんと!この人も、グラナを奪った、顔に大きな傷のある男を探していたなんて。


 「それで、なぜ店主と言い争っていたんですか?」


 すると、青い瞳の女は、店主の女を、指差して言った。


 「それはだな、このババアが、情報を言わないからだ!」


 「だから、うちの商品を買ったら教えてやるって言ってるだろ!」


 店主の女は、ものすごい剣幕だ。


 だが、青い瞳の女は、それに動じている様子はない。


 「商品を買えって言ったって、たかが、毛皮程度で、なぜ金貨一枚もするんだ。高すぎなんだよ!」


 毛皮? 


 青い瞳の女を見ていた僕は、慌てて、店の方を見た。


 そこには、動物の毛皮や魔物の皮などが、並べられていたり、金具で吊るされていたりしている。


 皮の端の方に血が付いていて、あまり見ていて気分のいいものではなかった。


 じゃあ、あの野菜屋の店主が言っていた、皮を売っている店って、ここのことじゃないか。


 顔を真っ赤にして怒っている店主の女に、僕は、恐る恐る話しかけた。


 「あのー……。」


 「何か用かい!」


 青い瞳の女と、言い争っている時と同じような声で言い、店主の女は、僕の顔を見た。


 すると、一瞬にして、意外という顔つきになった。


 「レイス王子、どうしてこんなところに。皮でも、買いに来たんですか?」


 「ちょっと、人を探していて……。」


 「まさか、レイス王子も、この下品な女と同じことを聞きに私の店に。」


 店主の女は、青い瞳の女を、ソーセージのような太い指で、指差している。


 「誰が下品だ!早く教えろ!家畜女。」


 たしかに下品だ。店主の女は、太っているが、家畜は言い過ぎな気がする。


 「皮を買うので、どうか教えていただけませんか?」


 あんまり、お金は持ってないけど、なんとか買えるぐらいはある。


 すると、店主の女は、大きな胸の前で、両手を広げ、ぶんぶん振って。


 「とんでもない。王子の頼みなら、なんだって聞きますよ。」


 「おい。私とは随分と態度が違うじゃないか!」


 「当然だろ。あんたと王子じゃ、宝石と馬のフンぐらいの差があるんだから。」


 なかなか面白いことを言う店主だ。


 「私が宝石で、こいつが、馬のフンだろ。」


 「そんなわけないだろ!さぁ、早くどこかへ行きな!」


 すると、青い瞳の女は、僕の肩に、足のように太い腕を回してきた。


 その時に、少し汗臭い匂いがした。


 「私も一緒に、聞いていってもいいよな。」


 僕の方を、見下ろして言っている。


 だが、僕はその時、その女の、透き通った青い瞳に、またしても、虜になっていたので、返事をすることを忘れていた。


 すると突然、頬に、稲妻が落ちたかのような衝撃を感じた。


 それにより、我に返った僕は、手の平掲げて、今にも僕の頬を、平手打ちしそうな女を見て、慌てて言った。


 「一緒に聞いていいですから……。」


 「そういうことだ。だから早く教えな。」


 店主の女は、悔しそうな顔をしている。


 「あれは、一昨日の夜でした。私が店を閉めようとしている時に、突然、誰かがぶつかってきたんです。」


 「それで、ぶつかってきた奴の方を見ると、そいつもちょうど私を見ていて……。」


 僕は、待ちきれなくなって。


 「そいつの頬に、傷はありましたか?」


 「ああ、ありましたよ。雨が降っているにもかかわらず、傷が見えたから、相当大きな傷なんだろうね。」


 「そいつ、どっちへ行きましたか?」


 「ここから、西の方だった気がします。」


 よし、急いで西に向かおう。


 「ありがとうございました。」


 僕が、肩にかけられた、青い瞳の女の腕を、退けようとしたら、力を入れられて、退けることができなかった。


 その時の腕は、まるで、鋼のように、硬かった。


 「おい、ババア。そこの熊の皮をよこしな。」


 この人は、なんてことを言うんだ。


 「あんた、お金持ってるのかい?」


 「いや、持ってないな。」


 「それじゃあ、渡せないね!」


 「でも、この私に、無礼な態度をとったよな。」


 「あんた……一体何者なんだい。」


 「私か。私は、こいつの姉だよ!」


 「えー!!」


 青い瞳の女の口から出た言葉に、驚きを隠すことができず、僕は、声をあげて驚いてしまった。


 


 


 


 


 


 


 


 


 

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