ロボ物は不得意ですが頑張ります!
闇夜に紛れ三機の人型軍事用ロボット――ギアードウォーリアが出現した。
通称G.Wと呼ばれておりコアにマグレブリアクターを採用し素粒子から発する光を電気に変えていた。
またそれ以外に水素炉が背中と一体化しており足裏に搭載したジェットエンジンでホバー走行を可能にしていた。
まだ発展途中なG.Wだが次期となる新型は宇宙適応を想定しており更なる激化は止むを得なかった。
しかし六つの巨大企業にしか軍需産業体は存在しなく地球連邦国はかなり出遅れていた筈だった。
筈故に六つの巨大企業が三機のG.Wを地球連邦国の基地に送り付けたのだった。
これは間違いなく未来のための紛争であり地球連邦国の愚策を許さないとする巨大企業の差し金だ。
三機のG.Wのメインカメラは暗視機能が加わっており闇夜でも迷わずに基地まで来れた。
だが本番はここからだ。これから起きる惨事はほんの序章に過ぎない。果たして人類が導く答えとは。
ひたすら静かな駆動音がG.Wから流れている。ついさっきまではホバー走行していたが今は歩いていた。
巨大企業の差し金である三機のG.Wは地球連邦国に軍需産業があるかないかを確認しに来た。
噂では地下施設に軍需産業があり独自のG.Wを開発しているとか。あくまでも噂だが検証しなければならなかった。
それにしてもやけに静かだ。この時代は既に量子レーダーが衛星に備わっており早期警戒なされても不思議ではなかった。
また衛星の量子レーダーとG.Wが加わればそれこそ無類の力を発揮する。この世界はもう次世代大戦に突入していた。
六つの巨大企業は地球連邦国を愚策と思い統一国家群を否定した。故に差し金(G.W)達はこれより宣戦布告する手筈だ。
2046年7月6日23時57分。俗にダブルセブンオー計画と言われた作戦が残り3分で行われようとしていた。
このことから三機のG.Wは予定どおりに到着していた。来て早々になにやら嫌な予感がした。
敵機が既存兵器すらも感じ取れなかった。これではまるで誘い込まれたとしか言いようがなかった。
かなり不気味だが作戦開始まで残り2分を切ろうとしていた。それぞれG.Wの武器が使用できる状況かの確認をし始めた。
確認は万が一だがこれから起きる戦いは長丁場が予想された。もし地球連邦国がG.Wを開発していれば厄介だ。
G.W――。名称はギアードウォーリア。いわゆる人型軍事用兵器だ。今は完全地上型だが未来では宇宙での使用を想定していた。
主兵装は基本的にアサルトマシンガンを採用し楯(たて)を持たない既存の兵器ならば余裕で破壊出来た。
もし破壊されたくないのならG.Wに楯を持たせればいいのだがただの楯だと火力不足や格闘手段が限定されてしまいがちだ。
故にデュアル系を選びがちだがこっちはこっちでリロードに時間が掛かる。下手な奴が使用すれば出来ない場合もあった。
むしろリロードを諦めて銃を捨て格闘に徹する輩もいると思うがそれでは初めから楯を持っていた方がいい筈だ。
急に三機内部の画面がフェードアウトした。どうやら作戦が開始されたようだ。段々と画面が戻り新たに表示されたのはタイマーだった。
タイマーは増えていく形式で一定の数字を超えると赤くなり時間内でクリアの作戦が失敗したことを告げていた。
三機の中にいる操縦者は緊張の中にいた。これから戦慄の場になるかも知れないと思えば思う程に手に汗を掻く。嫌な汗だ。
始まりの音は鳴った。後は基地内に潜入し証拠を掴むだけだった。もし地球連邦国に軍需産業がある場合は宣戦布告し破壊しなければならない。
そうでなければ本当に地球連邦国が産声をあげ悪夢政権が始まるだろう。世界の巨大企業は本気で腐敗が起きると予測していた。
世界の巨大企業にとって腐敗は許せない事であり大義なんていらなかった。いるのは腐敗と言う圧力ではなく共存し合える正義ではないか。
三機の操縦者もそう思い傭兵ではなく正規兵になっていた。だからこそにこの悪夢の始まりに選ばれたのだった。
そして遂に三機のG.Wは動き始める。隊長機が動けば残りの二機も動くように訓練されていた。無線を使えばいる事になってしまう。
ほんの少しの油断が死を招く。だがなにかが可笑しい事は三機の操縦者が一番に理解していた。余りにも敵基地が静かすぎるのだ。
いくらG.W開発が遅れているとはいえ量子レーダーがないは可笑しかった。これは確実に罠だと言い張れる根拠になり得た。実に奇怪だ。
だがここで引き下がる訳にはいかない理由があった。もし引き下がれば世界に明日はない。ただ世界の巨大企業は腐敗による世界統治を望まない。
地球連邦国の基地内に三機が入り込む。そこにはだれもいなかった。機影どころか敵機すらもなかった。既存兵器すらもないなんて可笑しすぎた。
違和感だらけの敵基地に慣れ始めたが急に警告音が鳴り響いた。G.Wからではない。この敵基地そのものからだった。警告音に合わせ壁がせり上がった。
どうやら壁は基地内を囲んでいるようだった。しかも壁の高さはG.Wが乗り越えれない程だった。壁の赤い回転灯がG.Wを照らし出す。
『こちら通信兵。衛星より緊急入電。なにかが地下より出てくる模様。繰り返します』
繰り返します後の言葉なんてもう既に聴いていられなかった。三機のG.Wは早急に戦闘態勢に入った。この感じからして敵機は相当な物だろう。例えばG.Wとか。
三機の操縦者は不味いと感じた。ここは早急に応援要請をしなければならないと感じ取った。なぜなら機影が三機どころか二倍以上をたたき出したからだ。
いつのまにか敵基地は多勢に無勢と化していた。まさか地球連邦国がこれ程までの戦力を有していただなんて思いもしなかった。こんな登場に士気が下がっていった。
だがもし本当に敵機がG.Wならば引き下がる訳にはいかなかった。これは早急に確認せねばと隊長機が動き始めた。この戦いはきっと長丁場になる。
機影が近付く。そして遂に対面の時がきた。余りの緊張に思わず固唾を飲み込む隊長。敵機は――
『ああ!? そんな!? 敵機は。敵機はG.Wです!』
通信兵が気を動転させている。遂にきてしまったか。もう時代は次世代大戦に移行し始めていた。これではまるで逆に宣戦布告されたような気分だった。
『慌てるな! こちら艇長。衛星より緊急入電。なんて事だ。地球連邦国が我々に宣戦布告だと!? 全機。早急に身を固めろ!』
身を固めろと言われても逃げるところがない。もう既に敵はここで野垂れ死ぬ気のようだった。先手必勝のつもりがなんて様だ。まさに袋叩き状態だ。
『こちら隊長機。幸いな事に敵機は散開している。ここは一気に叩くぞ!』
袋ならば破いてしまえばいいと隊長は思った。隊長であるゼクスは電撃戦を仕出かそうとした。敵機が揃う前に各個撃破出来れば勝てる見込みがあった。
果たして三機のG.Wに幸運の女神は微笑むのだろうか。
読み終わったら、ポイントを付けましょう!