女子の思考回路というのは、男には想像もつかない深淵の渦で形成されているに違いない。
数多くの(二次元)女子をおとしてきたと自負する俺だが、今回ばかりはお手上げだ。
そもそもの話、情緒不安定としか思えない言動に、理由なんてあるのか?
いや。おそらくは、この不条理な環境に対するストレスを俺にぶつけているだけだろう。
だったら俺に非はない。絶対に謝らないぞ。
「鬼ヶ島、やるならやれ。だがな、たとえ尻が猿のように赤く腫れ上がろうとも――」
「お尻四色パンコースでおけ?」
「勘弁してください」
我ながら、流れるような土下座だった。
勘違いするな。これは暴力に屈したからじゃない。
女の良いところも悪いところも、丸ごと優しく包み込むのが男の甲斐性だと思ったからだ。
ということにしておいていただけると幸いです。さすがに四分割はヤバい。
「さて、俺が気を失っていた間の状況を、今度こそ話してもらおうか」
土下座をなかったことにしつつ、片膝をついた体勢からゆっくりと、未来から送り込まれたアンドロイドのように立ち上がり、俺は睦琴に目配せをした。こくり、と頷きが返ってくる。
「桐春が暴行を受けていた様子をほくそ笑みながら眺めていた女神だが、異世界行きに際して特別なスキルを一人一つずつ授けると言い出した。異世界召喚のテンプレだな」
「聞き捨てならないことを聞いた気がするけど、まあいい。続けてくれ」
「そのスキルは全て異なり、被りはなし。こちらの任意で選んでよいということになった」
「選ぶ前に、スキルの説明はされたんだよな? 当たり外れは?」
「大いにあると思う」
「マジか。だとすると、かなり揉めたんじゃないのか?」
「奪い合いの暴動にこそ至らなかったが、順当にクラス内カーストの上位から選んでいった」
クラス内カースト。嫌な響きだ。
自他共に認めるヲタクな俺は、当然のように最下層扱いされている。一方、睦琴と聖士郎も同じグループで、交友範囲もさして変わらないのに、何故だか二人は特別枠に見られている。やっぱり顔か。顔面偏差値が物を言うのか。
「睦琴たちは、もう何かしらのスキルを手に入れたのか?」
「まだだ。奥田たちは、桐春が気絶しているのをいいことに、『不動だけは絶対最後にしろ』と言っていたが、体験学習で誰よりも貢献した桐春を差し置いて、ボクたちが先に選ぶわけにはいかないと思ってね」
睦琴の言葉に、聖士郎や、他のみんなもにこりと微笑みで応えた。
じん、と胸が熱くなる。
「ありがとな。俺のことを想うなら、なんとしてでも優秀なスキルをゲットして俺を楽させてくれりゃいいのに、と思ったりもしたけど、その気持ちが嬉しい」
「うん、台無しだね」
イェーイ、とハイタッチ。特に意味はない。
「問題は、俺たちの選べるスキルだ。当然だけど、もうここにはいない連中が選ばなかった、残り物ってことになるわけだよな? 何が残っているかは把握しているのか?」
「一応は」
「使えそうか?」
「正直、微妙――……いや、微妙とも違うか。その、なんだ、有り体に言うなら……」
「ゴミか」
「うん、まあ……。ボクはそのように感じてしまったけど、桐春ならまた違った解釈ができるかもしれない、という淡い期待を抱いている」
睦琴だって、異世界モノのライトノベルなんかは一通り嗜んでいる。その睦琴がこう言っているんだから、残り物に福がある、なんて可能性は低いだろう。
「で、肝心のスキルを与えてくださる女神様はどこ行きくさりやがったんだ?」
「ボクたちは桐春が目覚めるのを待つと言うと、いそいそと姿を消してしまった」
「なんでいそいそ?」
「女神が不用意に姿を晒し続けると、その神々しいまでの美しさで男女問わず魅了し、情欲を駆り立ててしまうからだそうだ。特に、十代後半の男子には刺激が強いだろうと」
「ギャグか?」
「本人は真面目に言っていた」
だったら野暮ったいスウェットでも着てこいや。無駄に胸元開けてんじゃねーよ。痴女か。
「スキルの説明なら睦琴に聞けばいいか。俺も極力、あの痴女の顔は見たくな――」
『誰が痴女ですか!』
「うーわ、出た」
神のくせに、いや、神だからこそなのか。悪口に敏感な奴だ。
『うわってなんですか!? 出たってなんですか!? 女神をお化けみたいに!』
「お前とお化けを同列にしたら、お化けに失礼だろう。お前なんか汚物、ウ●コで充分。今のリアクションは、でかいウ●コが出たのを見て、思わず『うわ』って言っちゃうあれだ」
『女神をウ●コ呼ばわり!? いくら礼儀知らずでも、こればかりは許せません!』
一気に癇癪を飛び越え、女神から殺気が吹き荒れた。
線引きを見誤ったかと思い、身構えるが。
『あなたには、現地でのペナルティーをつけさせていただきます!』
「は? フザケんな――」
『えいやっ!』
抗議の間も与えられず、女神が俺に向けて掌を突きつけた。一瞬、俺の全身が薄ぼんやりと光ったかと思うと、映画館の照明のように徐々に光度を下げていき、すぐに消えた。
「……何をした?」
『これであなたは、現地でわたしの悪口を言えなくなりました。言葉にした瞬間、神の雷があなたの頭上に落ちます。悪口に反応する自動迎撃ですので、わたしの目を盗んで陰口を叩くこともできません』
「スケールのわりに目的がコスい」
『ぶー。悪口を言わなければいいだけですぅー』
女を顔面ビンタしてやりたいと思ったのは、生まれて初めて――……いや、二回目だ。
でも、なるほど。悪口程度ならペナルティーは課されても、消されることはないわけだ。
「女神の悪口を言ったら雷に打たれる、か。面白いな」
『面白い? 今さら悔い改めても遅いですからね』
「現地で悪口を言えないってことは、つまり、言うなら今のうちってことだよな?」
『ん、まあ、そういうことになりますが、え?』
「さすがウ●コ痴女神様だ。やること為すこと、マジにくそでいらっしゃる。創造主ってのは嘘っぱちで、実は便所の神様なんじゃないか? 身体に巻き付けて無駄に乳アピールしているその布も、もしかしてトイレットペーパーだったり? 便所神だけにな」
『ほんとあなた、嫌いです!』
嫌いで結構。俺はその何倍も嫌いだ。
「きゃんきゃん喚く暇があるなら、残っているスキルの説明をしろ」
『うぐぐ、女神に命令するなんて』
日常を奪われた。家族とも二度と会えない。
不満なんて生易しい言葉では言い表せない恨みがある。命を握られている状況だとしても、悪態の一つや二つや三つや四つ、浴びせなければ気持ちの収まりがつかない。
『……いいでしょう。光栄に思うことですね。あなた一人のために、女神が直々に――』
「そういう前口上はいらん。さっさと説明を始めろ」
台詞を遮ってやると、およそ女神が人前でしちゃいけない顔になった。
煽り耐性ゼロかよ。今まで、悪態をつかれたことなんて一度もないんだろうな。
口喧嘩では敵わないと悟ったのか、反論を飲み込んだウ●コ女神が、中空に手をかざした。地球の日本人仕様なのか、ホログラムのように漢字が俺の眼前に浮かび上がる。
――【物質移動】――
『一つ目はこれです』
「地味」
『んぎぎぎぎッ!』
「それは念動力とか、サイコキネシスとかいう類のスキルか?」
『まあ、そう考えていただいても支障はないかと』
「最長で、どのくらい離れた所から動かせるんだ?」
『スキルの射程範囲ということですね。立てた指の本数が視認できるくらいでしょうか』
「2、30メートルくらいか? とすると、それなりの射程だな。一度にどれくらいの距離を動かせる?」
『1センチメートルです』
「いっせん……」
………………。
いや、聞き間違えたか? 1,000メートルって言った?
「もう一回言ってくれ」
『10ミリです』
単位を変えて言い直した女神が、親指と人差し指で隙間を作ってみせた。思わず目を細めてしまうほどの小さな隙間を。俺は眉間を揉み解した。
「…………動かせる物質の重さやサイズは?」
『重さは、その時々の体調などで誤差がありますけど、スキル所有者の腕力で持ち上げられるくらいが限界でしょう。サイズは、あなたの世界にペットボトルという容器がありますよね。500ミリリットルの。ちょうどあれくらいです』
「オイ、正直に言え。お前、自分でもこのスキル、ゴミだって思ってんだろ」
『ゴミだなんて思っていません。ただ、あなたにはとてもお似合いだと思っているだけです』
「フザケんなよ! こんなもん、手品以下だろうが!」
『だって、しょうがないじゃないですか! スキルの性能を均等にしちゃうと、強い魔物には勝てないんですから! どうしたって偏りが出ちゃうんです!』
「開き直ってんじゃねえ!」
そりゃ、誰も選ばず余るわけだ。こんなスキルで、どうやって魔物と戦えってんだ。
「……二つ目は?」
『ふふ、あなたは次もゴミが来ると思っているでしょうけれど、その予想を覆してあげます』
一つ目がゴミだと認めやがった。
――【状態異常無効】――
「地味」
『またそれですか! 耐性ではなく、無効ですよ!? このスキルがあれば、毒は効かないし、麻痺もしない。あらゆる病気にかからない健康体でいられるんです!』
「日常をおくる上では優秀だな。異世界で魔物と戦うことを考えたら地味すぎるが」
『わかっていませんね! 全然わかっていませんね! この状態異常の解釈は、デバフという範疇に留まりません。他のスキルは表面的に神の力を授けるのみですが、このスキルは身体の構成そのものを高位の存在へと作り変えることができるんです』
「高位の存在?」
『肉体的には神に等しくなるということです。奇跡を起こす力はありませんが、自身にとって異常、害あるものと判断したなら痛みだって遮断しますし、怪我を負うことすらありません。つまりは無敵! 寿命以外で死ぬことがなくなるんです!』
「マジか。それが本当なら凄いじゃないか」
『ただし、身体の構成を作り変える際、ちょっとした副作用が一つだけあります。超高性能なスキルですから、その分、対価が必要になるわけです』
「それはまあ、納得できなくもないが。その副作用ってのは、教えてもらえるんだよな?」
『はい。このスキルを得た者にとって、見るのも嫌。触れれば蕁麻疹が出ちゃうほど生理的に受け付けない。そんな姿に変異します。過去にこのスキルを得た者たちは、大抵、ゴキブリやムカデみたいな害虫になりました。それでも神の力を宿していることには違いないですから、見た目がめちゃくちゃ目立つ金色になります』
「ゴミ! 超ゴミ!」
『高望みしすぎです!』
「してねーよ! 普通でいいから役に立つスキルを寄こせ!」
期待させておいて、一つ目よりも、さらにゴミを持ってきやがった。
『は~ぁ。これだから、平和ボケした環境で甘やかされて育った輩は。自分が一番偉いとでも考えているんですかね。駄々をこねれば、なんでも手に入ると思って』
「急に自己紹介か?」
『はいはい、わかりましたよ。安心してください。次は間違いなく役に立つスキルですから』
「上げて落とす作戦じゃないだろうな」
『そこまで言うなら、わたしも覚悟を決めましょう。もし次も役に立たないスキルだったら、頬にキスしてあげてもいいです』
「罰ゲームかよ」
『あなたのことが嫌いです!』
――【危険察知】――
「これは、どういうスキルだ?」
『見たままの意味です。自身に迫る危険を感じ取ることができます』
「索敵系スキルか? 地味と言や地味だけど、常に先手を取れるなら戦闘の役に立つかもな」
『いえ、どんな危険が、どこから迫っているのかなどはわかりませんね』
「敵の位置や数は?」
『不明です。実際に見てみないと、どんな危険なのかもわかりません』
「ああ、なるほど。つまり、これは視認した敵のステータスを看破できる【鑑定】の類だな。危険察知ってのは、敵を知ることで危険を回避できるって意味なんだろ?」
『いえいえ、なんとなくそわそわする程度です』
「キスの権利を得てしまったわけだが、しなくていいぞ」
『安堵と屈辱で涙が出そうです!』
無いよりはマシかもしれないが、ザ・余り物って感じで、ありがたみは薄い。
そして、四つ目……。
――【経験値消去】――
「これも解説が欲しいな。経験値の概念があるってことは、もしかしてレベルもあるのか?」
『ありますよ。魔物を倒すと、その魔物を形成していた魔素が、討伐した人の存在そのものを強化する材料になります。一定以上の魔素を吸収することで一つ殻を破る。すなわち、レベルアップ。ステータスが上昇する仕組みです』
「つまり、このスキルは吸収した魔素をリセットして、相手のレベルを強制的に下げることができるわけか。魔物を弱体化できれば戦いも楽になるな。うん、これなら役に立ちそうだ」
『あ、魔物には効きませんよ』
「…………。理由を聞こうか」
『魔物にはレベルという概念がないんですよ。個体として発生した時点で一定の強さを備えていまして、そこから成長したり弱体化したりはしないんです。詳細は面倒なので省きますが、魔物とは変化がない代わりに、最初から完成された存在だとでも考えてください。ただまあ、それ以外、人間などには問題なく使えますので、ムカつくあの野郎のレベルを下げてやるー。なんてことは可能です』
それ、女神が言っていい台詞なんだろうか。
『あと、このスキルのデメリットですが』
「さらにデメリットまであるとか、ゴミ臭しかしない」
『よほどの人徳者でない限り、このスキルを所有している人は嫌われます。うっかりレベルを下げられたらたまらない。寄るな触るなこっちを見るなとバイキン扱いです』
「ゴミ以下の有害スキルだった」
『そう思うなら、なおさらあなたが使えばいいじゃないですか。あなたは他の方たちから既にバイキン同然の扱いをされているわけですし、特に変化はないでしょう?』
「言ってくれるじゃないか。ちなみに、女神にもレベルってあるのか?」
『おやおや、それはどういう意図での質問でしょうか?』
「ただの興味ですが、何か?」
『何やら不敬なことを考えていそうですね……。言っておきますけど、ここで授けたスキルはディスカリカに降り立たないと発現しませんから』
「チッ、次のスキルをちゃっちゃと紹介しろ。どうせゴミなんだろ?」
『どんどんふてぶてしくなっていきますね。あなたとの会話は不愉快でしかありません』
「俺は不愉快を通り越して不快だけどな。だから早くしてくれ。吐きそうだ」
『言われなくても、次のスキルが最後ですから!』
――【能力向上支援】――
『ステータスを上昇させるスキルはいくつかありますが、このスキルは唯一無二の一点モノ。スキルそのものを強化することができるんです』
「最後の最後でまとも……だと?」
あらゆる創作物において、この手のスキル持ちはVIP扱いされている。
ソロ向きではなくパーティー必須だが、一度上がった生活水準を容易には下げられなくなるように、この恩恵を味わったが最後、これ無しの戦闘なんて考えられなくなってしまうのだ。
『ふふ、驚かれたようですね』
「……いや、待て。まともなスキルが残っているはずない。何か落とし穴があるはずだ」
『疑り深いですね。……実はこのスキル、他の方たちには紹介していないんです』
女神が視線を斜め下に落とし、はにかむような仕草をしてみせた。
「どういうことだ?」
『先ほどの体験学習で、誰か一人を最優秀賞に選ぶのなら、個人的には不本意ですが、それはあなたということになるでしょう。そんなあなたに余り物が渡るのは忍びないですから』
「俺のために取り置きしてくれていたってのか? 何を企んでいる?」
『何も。純粋な善意です』
「嘘つけ」
『女神は嘘などつきません』
「目的はなんだ?」
『目的などと。あなたのこれからの頑張りに対する期待の表れです』
「片腹痛い」
『あなたのことが大嫌いです!』
ついに大嫌いになった。
「どうせ、このスキルにも、くそみたいな欠点があるんだろ?」
『ありません! 制限のようなものならありますけれど』
「ほらみろ。期待しなくてよかった」
『んぎぎぎぎぎぎぎッ!!』
煽りすぎだろうか。後ろで睦琴たちがハラハラしている。
ぎりぎりのラインを見誤り、キレさせて存在を消されてしまったら元も子もない。女神への溢れんばかりの想い(嫌悪&殺意)も少しだけ晴れたので、このくらいにしておくか。
「その制限ってのを教えてくれ」
女神が深呼吸をし、無駄に露出の高い胸元を上下させた。
『このスキルの効果時間は30分。これはレベルに関係なく固定です』
「ふむ。特に短いとは感じないな」
『また、自分自身には効果が及びません』
「完全にサポートスキルか。まあ、それも許容範囲だ」
『そして、効果の及ぶ対象は一人だけです。効果時間の上書きは可能ですけれど、別の対象に使用した時点で、最初の対象にかかっていた効果は消えてしまいます』
「パーティーメンバー全員に常時かけ続けられるってのが理想だけど、要はタイミングだな。そのあたりはプレイヤースキルでカバーできなくもない」
それに、効果対象が一人だけというのは一見するとマイナスだが、逆に考えれば、それだけ強化の度合いが大きいからだと予想できる。なんてこった。本当にまともなスキルだぞ。
効果はいかほどだろうか。能力100倍……だとチートすぎるか。
10倍、せめて5倍だな。
「実際、どのくらい強化できるんだ?」
『2パーセントです』
上がりかけていたテンションが、車のエンジンを切ったみたく急速に萎えていった。
2パーセントて……。導入当初の消費税より低いじゃねーか。
散々引っ張っておいて、結局ゴミとか、ないわ。
『補足しますと、スキル概要に数字を含むものにしか適用されませんので注意してください。大規模や中程度のように、数値化できない曖昧なものは対象外です』
こいつ、容赦なくゴミ要素を足してきやがった。
つーことは、この【能力向上支援】が使えるのは、最初の【物質移動】に限られるわけだ。
それも、1センチ動かせるところを、1・02センチに延長できるだけ。
0・02センチって、何それ。誤差にも程があんだろ。
『以上で余りもえふんえふんっ。あまりにも美しい女神によるスキル紹介は終わりです』
「異議あり」
『認めません。得たスキルについては、ステータス画面から概要を再確認できます』
「まるでゲームだな。一つくらい、ありがたみのある話はできないのかよ」
『やれやれです。神の恩恵というのはですね、神自らが主張するようなものではありません。現地に降り立ち、誰に言われるでもなく、あなた方自身が、ハッと気づくのです。女神様は、いつでも自分たちを見守ってくださっているのだと』
「主張しないだけで、ちゃんと恩恵はあると言いたげだな」
女神は、ふっ、と鼻を鳴らしてふんぞり返った。
『ありますとも。この際なので言ってしまいますが、わたしから与えられる全てのスキルには大なり小なり、魔物を引き寄せる効果があります。死者の魂が光を求めるように、魔物もまた女神の神々しい力の香りに誘われるのでしょうね。わざわざ魔物を探さなくても、向こうから寄ってきてくれる親切設計が備わっています。ご理解いただけましたか?』
「この女神は、どこまで行ってもくそだと理解できました」
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